乃木坂抗争 ― 辱しめられた女たちの記録 ―





























































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第二部 第六章・斉藤優里の場合
2.震える指
 斉藤優里は、目を覚ました瞬間、思わず声を上げた。
 いつのまに脱がされたのか下着姿にされ、分娩台の上に大股開きで拘束されていたからだ。
 慌てて降りようとするが、手足の拘束が逃がしてくれない。
 不覚だった。
 花田組の事務所の監視をしていたが、ふと背後に気配を感じた時には、素早く口にハンカチを押し当てられ、気を失ってしまった。
 身を隠していたつもりだが、それでも誰かに気付かれたようだ。
 事務所のすぐ傍に獲物がいると連中から格好の標的にされたのかもしれない。
 先日、同僚の西野七瀬の身に起きた災難は、本人から聞かなくても、だいたい想像はつく。
 それゆえ、嫌でも頭によぎる性拷問の恐怖。
(まさか、私も同じ目に…?嫌っ!絶対にごめんだわっ!)
 そう思い、必死に身をよじっていると、ふいに足音が聞こえ、男たちがぞろぞろと入ってきた。
 紛れもなく、花田組の連中だ。
「ア、アンタたち…いったい何のつもりっ!?すぐにこの拘束を解きなさいっ!」
 優里はキッとした目で鋭く啖呵を切るが、男たちはヘラヘラとして聞く耳を貸さず、舐め回すように優里の豊満な身体を品定めして、
「こりゃあ、たまんねぇな」
「これぐらいの肉付きが男にとっては一番好みなんだ」
「ヒィヒィ言わせてやるぜ」
 と、いやらしい笑みを浮かべる。
 その気持ちの悪さに思わず鳥肌が立つ優里。
 自由に動ければ、まとめて蹴り飛ばしてやるところだが、残念ながら、何も出来ない。
「さて、そろそろ始めようか」
 という声で、男三人、計六本の腕が拘束された身体に襲いかかる。
「さ、触らないでっ!いやっ!」
 一人の男は耳をいじくり、あとの二人は、たぷたぷの二の腕と、ぶるんぶるん震える太ももの感触を楽しんでいる。
(や、やだ…やめて…!)
 複数人から一斉に身体を触られるのは妙な感覚だった。
 そして、男たちは手は、やがて、きわどいところへと移動していく。
 上は脇から横っ腹、そして胸の膨らみへ。
 下は脚の付け根からお尻、そしてデリケートゾーンへ。
「くっ!は、離してっ!」
 必死に抵抗する優里だが、それが逆に男たちの興奮を掻き立てる。
(……!)
 ふいに、目の前に差し出されるハサミ。
 男は、その刃をチョキチョキと動かして見せ、ニヤリと笑った。
「い、いやっ!近寄らないでっ!あっ…!」
 フロントホックのブラのように胸の谷間で真っ二つに切断されたブラ。
 圧迫から解放された白い柔肌の美乳が、皿に落としたプリンのように、ぶるんっと波打つ。
「おぉ、たまらねぇ!」
 男たちは歓声に対し、優里は頬を真っ赤にして顔を背ける。
 そしてハサミは下へ。
「やめてっ!…離してっ!いやぁっ!」
 切断され、ゴムの伸びを失った生地は一瞬にして縮み、守りきれなくなった黒々とした陰毛を男たちの目に曝す。
 かろうじて女性器はまだ隠しているが、それも、隠しているというよりは、ただ生地がそこに残っただけにすぎない。
「おら、ケツを浮かせろ!」
 男の手が、その残った生地を掴んで引っ張ると、するりと尻の割れ目をすり抜け、生まれたままの姿を公にされた。
「いやっ!やめて!見ないでっ!」
 必死に暴れる優里だが、健闘むなしく、拘束具がガチャガチャと音を立てるだけだ。
 そして、その隙に男たちは何やら手の甲に妙な機械を装着し始めた。
(……!)
 銀色に覆われ、まるで、メタルヒーローのようになった男たちの手の平と指先。
 スイッチを入れると、五指の関節部のローターの部分が一斉に震え始め、男の掌全体が振動する。
 男たちは、その振動した掌を、そっと優里の身体に這わせた。
「…んっ!や、やだ、何これ…!」
 低周波のような振動によるソフトタッチが妙にくすぐったい。
 だが、それがやがて胸の膨らみに伸びると、優里の口から甘い吐息が漏れた。
 左右の乳房は、男たちの掌に覆われると、その振動に煽られ、原型を留めないほどにブルブルと波打った。
「あんっ…!や、やぁっ…きゃっ!」
「どうだ?新しい拷問器具の感想は?」
 男は笑い、
「こっちもやってやる」
 と言って、大股開きになった太ももの内側にもその振動する掌を這わせる。
「…ひぃぃっ!」
 徐々に高められる性感に悶絶する優里。
 そして、男の指先が花弁をかすめると、
「あんっ!」
 と、思わず艶かしい声を上げた。
「何だ?今のが良かったのか?」
 男は、わざとらしく言い、再度、指先で秘部をかすめ、それを三度、四度と繰り返す。
「あんっ!ダ、ダメェ!んんっ!」
 上へ、下へと通りすぎる振動に翻弄される優里。
 そして優里の注意が下半身に向いたのを見計らって、上半身担当の男たちは、乳房の先端にあるピンク色の突起を五指で摘み上げた。
「んあぁっ!」
 振動する指に乳首を持ち上げられ、ひときわ大きな声を上げてしまう優里。
「おぉ?ちょっと摘まんだだけでぷくっと膨らんで固くなったぞ?」
「この振動、たまんねぇだろ?」
「んっ、やぁっ、は、離してっ!あんっ!」
 次は秘部により強い刺激。
 先ほどよりも大胆に男の指が大事なところに触れた。
 下を気にすれば上を責められ、上を注意すればチャンスとばかりに下の責めがエスカレートする。
 3対1の人数の差を生かし、常に裏をかくような責めを展開し、徐々に、そして確実に優里を追い込んでいく男たち。
 分娩台の上に拘束され、恥部を覆い隠すことも出来ず、優里は下卑た男たちのなすがままだ。
 震える指が割れ目を左右に開く。
「んぁっ…!や、やめて…」
 振動が伝わって悶える優里。
 しかし、そこを覗き込んだ男はニヤリと笑って、
「しっかり濡れてきてるじゃねぇか」
「どれどれ…」
 別の男が秘肉に触れ、振動する指を持ち上げると、その間を一筋の細い糸が引く。
「見ろよ、こんなにも糸を引いてるぞ」
「嫌がるフリして、実はすっかりその気かよ」
「ち、違うっ!…あんっ!」
 ムキになって否定した矢先、また乳首を摘ままれて甘い声を上げる優里。
 そして男は耳元で、
「エロい声で鳴くじゃねぇか。本当は気持ちいいんだろう?」
「う、うるさっ、んあぁっ!」
「へへへ。まぁ、いい。ところで、女の身体にはよ、もう一つ“摘めるところ”があるんだ。分かるか?」
(…!)
 振動する男の指が、スナップを効かせて、ペチペチと陰部を叩く。
「んんっ!や、やだっ!あっ、くっ!」
「さぁ、見つけ出して、この指で摘まんでやるよ。お前のクリトリスをな」
 男は、そう言って、もぞもぞと優里の茂みを掻き分ける。
(い、嫌っ!今、こんな振動で“アソコ”を触られたら…!)
 自身の感度と照らし合わせ、恐怖する優里。
 男の手は、優里の土手をぐっと押さえつけ、上に力を加えながら、
「へへへ。見つけたぞ…!」
「や、やだっ!やめてっ!」
「ほら、分かるか?」
「あんっ!」
 露出した陰核を指がかすめただけでもビクッと反応を示す優里。
「さぁ、摘み上げてやる。左右の乳首と一緒に三点責めだ」
「ま、待ってっ!い、いやぁっ!」
「そら!くらえ!」
(…!!)
「…んああぁぁっ!!」
 全身を駆け抜ける衝撃に、絶叫する優里。
 そして、その敏感な豆を震える五指で逃げ場なく摘まれ、コリコリと転がされた時、優里は分娩台に身体を打ちつけ、跳ねながら気をやった。

鰹のたたき(塩) ( 2020/01/08(水) 10:38 )