07 兄と妹
渡邉家では出張で遠くへ行ってる両親に変わって姉の理佐が大学と両立して家事もこなしていた。
日向と美穂は思春期で反抗期そのものだが、理佐に対しては歯向かうことも無く食事も3人一緒に食べている。
日向と美穂はお互いに話すことは無いが、理佐から話しかけられれば素直に答え、笑顔を見せるのだが、日向はあることを考えていたため2人の顔を見ずに黙々と食事をしていた。
日向「美穂…ごめん。
理佐姉に話があるから、ここでテレビ見るのしばらく待ってくれないか?聞かれたくないから。」
美穂が食事を終え、食器をキッチンに置きに行くのを見ると美穂の方を向かずに声をかける。
美穂から大きな舌打ちが聞こえるとリビングから出ていこうとする美穂は、日向の後ろで立ち止まり
美穂「早く終わらせてよね。」
怒ったような声で言うとリビングから出ていく。
後ろで美穂が睨んでたんだろうな、とは思ったが何も言わずにいた。
理佐「日向、話って何?」
理佐は先に食事を終え、ふたりの会話を聞いていたのか美穂が居なくなるのを見ると日向に優しく声をかけ、日向と向かい合うように座った。