美穂は日向が出ていくと理佐の隣に静かに座り、心配そうに見つめていた。

しばらくして、涙が止まり顔から手をどけると理佐は美穂の頭を撫でて、「変なところ見せてごめんね？」と微笑みながら言うしか出来なかった。

美穂「理佐姉、何も悪いことしてないよ？
ただ…ひゅうが兄がなんかしたんだと思ったから…うちもごめんなさい…。」

相手の言葉を聞くと小さな声で自分の気持ちを伝えた美穂に対して理佐は微笑むと、目を見つめて

理佐「ううん、美穂の気持ちも嬉しかったよ。
日向とはちょっと思い出話をしてだけなの。だから、明日ちゃんと日向に謝ってあげて？」

理佐は、涙を拭い笑顔を見せるといつもの優しい口調で美穂を諭すような口調で話した。

理佐は普段はクールで冷たい印象を持たれることが多いが、誰に対しても対等に優しく接して怒ることも感情を出すことをしない。

美穂も同じことを思っていたのか、理佐の顔を心配そうに見つめ続けている。

理佐「美穂、明日も早いでしょ？もう寝な？私も洗い物したら寝るからさ。」

理佐は、優しく美穂に声をかけるとキッチンの中に入り、洗い物を始めた。

美穂も「おやすみ。」と理佐に言うと、笑顔を見せて部屋に戻って行った。