第2章
俺の彼女は世界一
次の日の昼、俺は駅前に集合時間の十分前に着く。

ものの数分後に絢音がやってきた。

黒いTシャツに薄い赤色のスカートという落ち着いた色合いの服装でこちらへと走ってくる。

「おまたせ!慎くんはやいね〜」

「絢音もそんな変わらないでしょ」

「だって早く会いたかったからねっ」

絢音が微笑みながら言う。

「俺もだよ」

「ふふっ。ありがと!」

そう言って俺たちは手を繋ぎ、デパートへと向かう。



デパートに着いた俺たちは早速店内を見て回る。

「そういえば、何を買いに来たの?」

俺は絢音に問いただすと、

「実は、特に何もないんだよね。」

てへっ、と言った表情でこちらを見る?

「慎くんと遊びたかっただけなんだー」

そういうことか。
どんな理由であろうと絢音の頼みなら断るはずがないのにな、と心の中で思う。

「じゃあせっかく来たしなんかお揃いの物とか買ってみる?」

「それいいね!」

俺たちは色々見て回るが、初めてのペアルックなので何を揃えるかとても迷ってしまう。

「何にするか迷うね。絢音は何が良いとかある?」

「う〜ん、身に付けてれる物がいいかな!」

「アクセサリーとか?」

「そうだね〜 あっ、でも学校には着けていかないのか…」

悩んでる絢音を見つめる俺。

「何かついてる?」

「いや、ただ可愛いなって」

「もー!慎くんも考えてよ!」

絢音は怒りながら、しかしどこか嬉しそうな表情をして叩いてくる

「ごめんごめん、他の店も見てみようか?」

そう言って絢音の手を取る

「うん!」

絢音が俺の手を握り返して、歩き始めた。





「これとかどう?」

絢音がシャツを自分の体に当て俺の方を向く

「うーん。何でも似合ってるからどれが良いとかよくわかんないな」

「嬉しいやら悲しいやら…」


ふと、目の前の雑貨屋に気をとられる

「ちょっとあっち行ってみない?」

「ん?あ、いいよ!」

そう言って雑貨屋に入り店内を回る

「こういうのとかは?」

そう行って俺は携帯の保護カバーを手に取る

「これ可愛い!」

そういって絢音が手に取ったのは、赤色と青色の2つの携帯ケース

ケースにはキャラクターが描かれており、2つを並べるとキャラクター同士がキスをするデザインになっている

「これよくない?」

「うん。いつでもつけてられるしね」

「やっぱいいもの見つけますね〜慎くんは」

そういいながら青い方を俺に差し出し、レジに向かう。


店を出てベンチに座り、早速携帯にケースを付ける。

「慎くんとお揃いだ〜」

嬉しそうに携帯を眺める絢音

そんな絢音を見て笑みが溢れる

「あ!記念にプリクラ撮っていかない?」

「お、いいね」

「今度は変な気起こしちゃダメだよ?」

「その件は本当にごめんなさい」

絢音が笑う

「冗談だよ。さっ、いこ?」

そういってゲームセンターに向かった。



プリクラの機械の中に入り、早速今日買ったケースを見せるように携帯を持ちながらまず1枚撮影する

そして色々なポーズで撮影し、次でラストの撮影だ。



「慎くん。」



いきなり名前を呼ばれて絢音の方を振り向くと、唇に柔らかい感触が当たった。


パシャっ


撮影が全て終了し、絢音が唇を離す。

「えへへっ。チュープリってやつ、純奈ちゃんが言ってたんだー」

少し照れながら笑う絢音


「さっ、落書きしよっか」


中から出て行こうとする絢音



「絢音。」



絢音の手を掴んでら胸に抱き寄せて、キスをした。



先ほどの唇が重なるだけのキスではなく、舌を絡め合う熱いキスをした。




「ぷはぁっ。やっぱり変な気起こしちゃった?」



「仕方ないだろ。いきなりキスしてきたんだから」


「続きはここじゃ無くて、ちゃんと家でしようね?」

イタズラっぽく言いながら、プリ機を出て行く絢音。



やっぱり俺の彼女は世界一可愛い。


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vinc ( 2018/11/23(金) 04:15 )