第1章
全部貴方の物
いつもの強気な感じでは無く、とてもか弱そうな女の子がそこにはいた。


「どうしていきなり…今まで手だけでそれ以上はしてこなかったのに…」

「上手く言えないんだけど…真夏に負けたくない、って思っちゃったんだよね…」

どこに勝ち負けの要素があるのか俺にはわからなかった。

処女か、そうで無いかなんて純奈は気にするタイプでは無かったはずだ。

しかしこの状況で断るほど空気の読めない男では無い。

「こっちおいでよ。」

俺はもう一枚マットを敷いて純奈に言った。

「…うん」

そう言って純奈は正面から抱きついてきた。

「どうして震えてるの?」

純奈の体は震えていた。今までだって、本番は無かったにしてもこういう行為は散々行ってきたはずなのに。

「私にもわからない…ただ一つ言えるのは、前までと今の私は慎への感情が違うってことかな…」

俺を力強く抱いて、か細い声で言う。


「それって?」



「慎のこと、男として好きになっちゃった…」



一瞬俺の中の時が止まった。

正直美人だとは思っていたが、ゲーセンの日以降、あの関係を持ってからそういった感情は一切無いものだと思っていたからである。


「さっき真夏が慎に犯されてるの見てて、『私も慎に犯されたい』って思ったの。性欲とかじゃなくて、慎だから抱いて欲しいって思った。」

「…そっか。でも純奈は俺が好きな人いるのわかってるんだよね?」

「そんなのわかってる。付き合えるなんて思ってない。でも、この先私が誰と出会おうが初めては慎が良いの。身体だけの関係でも私はそれでいい。」

俺はどうして彼女がここまで好いてくれるのか分からない。
こんな俺のどこがいいのか。

「…そんなに俺のこと好きでいてくれるなんて、嬉しいよ」

そう言って俺は純奈の唇にキスをした。

最初は唇だけ。そして一回離した後、もう一度キスをして、今度は舌を入れる。

純奈は俺を求めて激しく舌をからめてくる。
俺はそれを受け入れ、より一層純奈を強く抱きしめる。

俺はゆっくりと純奈の服を脱がしていく。

まず最初にブレザーを脱がし、次にスカートを脱がした。

ワイシャツとパンツ姿になった純奈はとても妖艶で、高校生とは思えない色気を出していた。

「…ファーストキスが慎で良かった…このまま純奈の初めては全部慎にあげる…慎がしたいように、好きにしていいよ…」

そういった純奈の目は少しだけ潤んでいた。

俺は一度離した唇をまた近づけ、純奈を求めた。

そして右腕でシャツの上から純奈の胸を揉みしだく。

「んっ…」

純奈から声が漏れる。

今まで純奈には触れたことがなかったが、意外と敏感なのかもしれない。

俺はキスをしたままボタンを外し、シャツを脱がし、ブラのホックを外した。

綺麗な薄ピンクの勃起した乳首が姿を現した。

「純奈…キレイだよ…」

「やだ…はずかしい…」

嫌だとはいっても身体は拒んではいない。

俺はキスをやめ、乳首に吸い付いた。

「ぁぁぁ!」

純奈は体を震わせ、イッてしまった。

「もしかしてめちゃくちゃ敏感?」

「はぁっ…はぁ…違う…慎だから…」

そんなことを言われて喜ばない男などいない。

純奈をマットに寝かせて、ペニスの先端を純奈の秘部に当てる。

「イクときは…中に出していいよ…」

「え?」

「今日は安全な日だから…慎の全部受け止めてあげる…」

その言葉に興奮した俺は、純奈が初めてだと言うことを忘れて一気に奥までいれる

「んぁぁっ!」

「ごめん…もう俺、抑えられない」

「んっ…それでいいんだよ…気にしないで、気持ちいいように動いて…」

そう言われた俺は、無我夢中で腰を振り続ける。

「ぁっ!ぁっ!ぁん!」

時々胸を揉みながら、そしてキスをしながら腰を振り続けた。

「っ…!気持ちいいよ純奈…」

「わたしっ…もうイクッ」

純奈は腰を浮かしてイッてしまった。

ただ、これでは終わらない。

俺は純奈の体制を変え、バックの形でまた挿入する。

「ぁあ!これぇ!…恥ずかしい…けどっ…気持ちいいっ!」

後ろから両手で胸を揉みながら腰を前後する。

「じゅん…またイク…」

「俺もっ…」

お互いもう少しでイキそうなところで一旦止めて対位を変える。

一度正常位で挿入し、そのまま純奈を抱きかかえて立ち上がって駅弁の形で腰を振る。

「これやばいっ…」

純奈は両手両足をガッチリ俺の体に巻きつける。

そしてお互いキスをする。

「んっ…もうイクッ…」

「じゅんもイッちゃう…一緒にイッて…」

腰を振るスピードが速くなる。

「中に出すぞっ…!」

「だしてぇ!慎の全部!私の中にだして!」

俺は純奈の中に思いっきり射精した。

それと同時に膣内が俺のペニスを絞り上げる。


「はぁっ…はぁっ…」

純奈をマットの上におろし、お互いに息を整える。

「じゅん、今日のことは一生忘れないよ」

「俺も。こんな日、もう二度とないんじゃないかな。」

「いい雰囲気のところ悪いんだけど、さっきから私もいるからね!?」

秋元が既に制服を着て話に入ってきた。

「ごめんごめん」

俺は笑いながら謝る

「まぁわたしも忘れることはないだろうね!」

そんな話をしばらく続けた。








「じゃあまたね!2人とも!」
校舎の前で、秋元がこちらへ手を振って帰っていく。

俺は純奈と2人でたわいも無い話をしながら帰る。

「それじゃ、俺こっちだから」

別れ道に立ち、俺は純奈に告げる。

俺は背を向けて歩き出そうとすると、

「まって!」

純奈に手首を掴まれた。
あの時と同じだ。


振り返ると、俺と純奈の唇が触れ合った。

そして純奈は自宅の方へ歩き出し

「じゃあね!」

笑顔で立ち去っていった。


あの日は不安でいっぱいだったが、
今は幸せで溢れている。

■筆者メッセージ
純奈をヒロインにしたわけではないんですけどこれは圧倒的ヒロインですね
vinc ( 2018/11/20(火) 01:11 )