3rd
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「こんにちはー、来たよ!」
入って入ってと宮野が手招きする先には真那と茉夏が立っていた。
「なんで二人が…」
そう言いかけたのも気にしに様子で宮野と真那はリビングへとどんどん向かっていく。少し遅れて茉夏が申し訳なさそうに進む。

二人が合流した後は宮野は主に真那に聞くようになり、俺は自分の勉強に集中できるようになった。
「で、前回の名前無し君は今回はどうよ。」
「今回は全然大丈夫そうだ!」
「俺は前回も同じ言葉を聞いた気がするんだけどな。」

そしてテストが終わり、成績発表の日になった。
うちの学校は漫画などで見られる順位が壁に張り出されると言うPTAでも意見の分かれる方法で順位を通達していた。そして最下位は名前が張り出されないという決まりもあった。そう、前回の最下位は目の前でそわそわしているこの男だったのだ。


「輝!!あったぞ!!」
「お、ほんとだな。真ん中より少し下って、やればできんじゃん。」
「っていうお前は総合5位で文系では2位かよ…」
「文系1位は、松井玲奈か…」
「輝ー、宮野くんの名前あった??」
「あっ、真那ちゃんあったよ!!」
廊下の人だかりの中、甲高い声とバカでかい声が行き来する。
「今回ないのはじゃあ久美ちゃんかな?」
「ひどいなー、私の名前ならあったよ!」
真那に反論するためだけに来たかのようなタイミングで久美ちゃんが現れた。
「じゃあ今回は俺らの中じゃなかったんだな」
そういうと一同安心したような顔つきで帰っていった。

■筆者メッセージ
だいぶぐだった感ありましたが、これでこの章は終わりです。
愛生 ( 2014/05/08(木) 10:08 )