2nd
05
嫌な汗が止まらなかった。現在時刻を確認すると2時50分、そのときに気づいた、あれは未来のこと、これから起きることなんだと。
「電話だ!」
そう呟くと急いであっちゃんの電話にかけた。あの交差点に向かいながら電話をかけるも繋がらない。
「…くっそ!」
ついに俺は走り出した。
-高みななら何か知ってるんじゃ…-
俺はそう思い、あっちゃんの一番の親友の高橋みなみに電話した。
「もしもし、たかみな?」
「おぉー、どうした?」
「あっちゃんどこにいるか知らない!?はやくしないとあっちゃんが死んじゃうんだ!!」
「えっ…ちょっと待って、どういうこと?」
「××公園の近くの交差点で、車に轢かれるんだ!早くしないと…」
泣き入りそうな声で説明するもうまく纏まらない。
「少し落ち着いて!とりあえず私もそっち行くから!」
はっきり言って頭のおかしいやつだと思われるだろう、それでもいいと今は思った。

3時20分、ようやく公園の近くまでたどり着いた。そこにたかみなも来た。
「島谷くん、どういうこと?敦子が死ぬって」
「もう少ししたらこの先の交差点であっちゃんがはねられるんだ、俺たちから見て左側から来るトラックに!解らないけどさっき見たんだ!!」
「解った、とりあえず行かなきゃ!」
これだけの説明で信じてくれたのは本当にありがたいことだと思う。交差点までの間の踏み切りが2.3分足取りを阻んだ。これまでにここまで時間を大切に思ったことはなかった。
時刻は27分、交差点がようやく見えてきた、そしてその先にこっちへ向かってくるあっちゃんの姿があった。
「あっ、輝とたかみなー」
これから起きることも知らずにあっちゃんは手を振る。
「あっちゃん!動かないで止まってて!このままじゃ危ないから!!」
必死に叫ぶも二人の間を通る車に声が掻き消されて届かない。あっちゃんは解らないといった顔でこっちを見ている、そして信号が青になった。

その瞬間走り出した俺は左を向いた、やはりトラックはこっちに来ている。

愛生 ( 2014/03/10(月) 01:27 )