01
新学期が始まって2ヶ月が過ぎようとしていた
その時に転校してきた奈々未もこちらの生活に馴れたようで、皆と楽しそうに話すのをよく見るのだが‥‥
「相変わらず人気だねー奈々未ちゃんは、これで何回目?」
「本人に聞いた話だとデートのお誘いが30人で告白が10人だって」
昼休みの中庭に呼び出されて告白をされている奈々未を俺と珠理奈が廊下の窓から眺めていた
最近の奈々未は美人な転校生として学校全体に広まったらしく、毎日のように色々なお誘いや告白をされていた
本人としても
「全然知らない人に誘われても断るに決まってるのになんでくるんだろうね」
と話していた
「やっぱり心配ですかせいちゃん?
そりゃ美人の転校生が幼なじみでお隣さんなんて周りに内緒だから大変だね」
俺と奈々未の関係は珠理奈以外にはまだ話してない
正直なところ話したら色々な噂が出て奈々未が色々と大変だと思ったからだ
そんな話をしていると中庭にいた奈々未が帰ってきた
「おかえり〜毎度毎度呼び出されるとモテるのも大変だね
今回も玉砕してきたの?」
「玉砕なんてやめてよ珠理奈ちゃん、まぁお断りはしたから一緒だけどね
私は初めましてなのに、いきなり付き合って下さいって言われても困っちゃうよ」
「しょうがないって、これからの夏休みに向けて皆ギラついてるし来年は遊べる余裕なんてないだろうからね」
俺の分析に二人は納得しながらある方向を見ていた
そこには女の子に声をかけて追いかけている健次がいた
「まさしくあれのことね
でもあいつの場合は年中無休であれな気もするけど、とりあえず一発ひっぱたいて来る」
そう言い残すと珠理奈は健次の方に歩いて行った
「始めて会った時は友達思いのいい人だと思ったけど‥‥
もう少し周りを見た方が良さそうだね」
奈々未が何を言いたいのか俺はすぐに分かったがあえて口には出さずに二人で教室に戻って行った