再会
07
ただいま〜

誰もいない自宅に帰ってきた俺は途中で買ってきた夕飯の食材をテーブルにのせソファに腰をおろした


今日は珠理奈が来ないのでゆっくりしようと考えていると


ピンポーン



突然の来客を告げるベルに重い腰を上げながら玄関に向かった









「はーいどちら様ですか?」


玄関の扉を開け来客の姿を見ると、そこには今日何度も見た話題の人物が立っていた




「お隣に引っ越して来ました橋本です

よろしくね、松井君」



目の前にいるクラスメイトに唖然とし状況が飲み込めなかった



「よ、よろしく‥‥

橋本さんが隣の家に‥‥

ダメだ頭が回らない

え〜と、とりあえず中にどうぞ、落ち着いて話したいし」

そう言って俺は奈々未を招き入れることにした








「まさか橋本さんの家が隣だったなんてね

世の中は本当にせまいよ」


リビングに招き入れた俺はコーヒーを淹れてソファに座る奈々未に渡し自分も腰をおろした

「本当にビックリした
さっきまでクラスにいた転校生がいきなり家に来たから

でも橋本さんはビックリしなかったよね?」

俺の質問に奈々未はイタズラが成功したような笑顔を見せながら

「さっきまで珠理奈ちゃんと一緒で、私の家を教えたら隣が松井君の家だって教えてくれたの

だから挨拶に来たの

絶対ビックリするからお楽しみにって言ってた」


なんとなく珠理奈だろうとは思っていたがリアクションまで読まれているのは少し悔しかった



しかし学校以外で会えたことに嬉しさを感じていると奈々未が

「やっぱり二人は仲がいいね

何も変わってなかったからすぐに分かったよ」


「何も変わってない?

橋本さんは珠理奈と俺に昔会ったことあるの?」

俺の言葉を聞いた奈々未は少し切なそうな顔をしながら


「覚えてないのはひどいよ

せいちゃん」


彼女の言った呼び名と表情にある人物の面影を感じた瞬間、朝からあったモヤモヤが晴れていった


「もしかして‥‥




なーちゃん?」



















セイジ ( 2015/11/30(月) 00:08 )