08
「もしかして‥‥
なーちゃん?」
「よかった、覚えててくれたんだ
でもそのリアクションだと今まで本当に気が付かなかったんだね
珠理奈ちゃんはすぐに気が付いたらしいけど、せいちゃんは‥‥」
頭の中のモヤモヤが晴れたのを通り越して真っ白になっていた
まさか幼い頃に遊んでいた女の子が自分のクラスに転校生として、そして隣人として帰って来るなんて想像すらしないだろう
「とりあえずもう全然頭が回らない
ビックリだらけで何も理解出来てないよ」
そこから俺達は思い出を話して今までの時間を取り戻すようだった
「もうこんな時間か
ずいぶん話しちゃってたから外が真っ暗だよ」
気が付くともう7時を過ぎていた
「本当だね
まぁ隣だし大丈夫だよ、ただこれからご飯買いに行かなきゃ
うち、今日の夕飯は忙しいから各自なの‥‥」
「それなら良かったら一緒に食べない?
これから作るんだけど俺も1人だし、二人で食べた方が美味しいから」
突然の夕飯のお誘いにビックリしながらも奈々未は
「じゃあよろしくお願いします
せいちゃんが料理出来るってビックリだけど、期待してるよ」
さて、作ろうと立ち上がりながら奈々未に言い忘れていたことを思い出した
「そういえば‥‥
なーちゃん、おかえり」
それを聞いた奈々未の笑顔はあの頃の少女と同じだった