第4章
第3話
帰り道今日はいつもと違い後輩3人と一緒に帰っていた。

「そーだ、柿崎さウインク得意なんでしょ?ちょっとしてよ」と前に丹生に教えてもらったことをお願いすると、

「いいですよ!」と意気込み、

パチリ

と息をするように自然にウインクをしてくれた。前言われたように惚れるようなことはなかったが少しクラクラっとしてしまい恥ずかしくなって俯くと、

「あれー?先輩ちょっと顔赤くなってないですか?」等と弄られる。
本当に恥ずかしくなっていたのでシカトして前をずんずんと進んでいく。

「菜緒も前やったんだからやりなよ!」という声が聞こえたので少し見たくなって(決してそういうことじゃない)後ろを歩いている3人に「小坂もできるんだ。見せてよ」と言うと

「えーっ、あれ恥ずいねんって」

「いやいや、これから少しお世話になるんだからやっときな」と柿崎先生の説得の末に

パチリ

とウインクをしてくれた。これはまた美しさを感じてしまいまた下を向いて気を落ち着かせている僕の後ろで3人目の丹生が必死にウインクをしようとするが苦戦している声で正気を取り戻し、表向きは平然を装って進んでいった。

それから丹生、柿崎の順に分かれて小坂と僕の2人で並んで歩いていた。
4人、3人の時には周りに他の生徒がいて気にならなかったが、2人になるとその生徒減ってきて僕らと後ろに早歩きする足音だけ聞こえる1人となった。

「そういえば、なんで小坂は生徒会入ったの?」

「それは、入学式で美玲先輩が話してるのを見てかっこいいなと思って、ぜひ入ってくれないかって誘ってもらったからですね」
と話しながらこれから何度か通る道を確認しながら帰っていると、後ろを歩いていた1人の足音が近づいてきて

「おい、ちょっと待てよ」とドスの効いた声で話しかけられる。僕は反射的に小坂をその人の逆側に移動させ僕が壁になるようにした。

「なんですか?」と話しかけてきた人の方を見ると僕と同じ制服を着た見たことがあるようなないような、男子生徒が立っていた。

「俺、その子の彼氏なんだけど、どう言う了見でその横にいるわけ?」

「ん?なに言ってんの?小坂、それほんと?あと、あなたは誰ですか?」
と聞くと小坂は恐れたように目をつぶって首を振る。

「俺は、谷口大輔でその子に告白して付き合ってんの」

「小坂はそう思ってないみたいだし、もうそろそろ付きまとうのやめたら?」

「あん?そんなわけないだろ、な?」と奥の小坂に向かって目を向ける。

「違います!やめてください!」と小坂から発せられた声とは思えないくらい大きな声で言った。

「ほら、こう言ってるんだしさ、もう止めろよ。」と谷口の肩に手を置くと

「うるせぇ、お前には関係ねぇーだろ!」

「大切な後輩だし、たとえそうじゃなくても関係ないからって引ける状況じゃないけど」

「はぁ、うるせぇな、お前女の前だからってカッコつけんなよ。弱いんだから」

「弱いとか関係ないから、僕は自分が正しいと思うことをするから」

「喧嘩売ってんのか?」

「売ってないけど、そっちが売るなら買うよ」と僕も頭に血が回って冷静な判断ができずにこんなことを言ってしまった。
それを言った瞬間腹に膝蹴りを入れられ、
「もうやめとけよ。これでわかるだろ?」

「いいや、バカに何回蹴られてもわかんないよ」

次にほっぺを殴られ口の中に感じたことない味がするが、
「まだまだだよ」と諦めさせるために、相手を煽ると相手はよりヒートアップしてきたのか思ったよりボコボコにされ、

「もういいわ、こいつ思ったより面白くない女だし」と捨て台詞を吐いて逃げるように闇に走っていった。

「大丈夫ですか!ごめんなさい、ごめんなさい。」と傷ひとつない小坂が泣きながら僕に向かってくるのを見て安心して意識を手放した。






■筆者メッセージ
今日はイマイチ切りどころがわからず長いです。読みにくくてすいません。
のぞみ ( 2019/02/06(水) 23:51 )