第9話
放課後、生徒会室に行くとすぐに今日の生徒総会の反省会が始まった。
みんなそれぞれ反省はあったようだが、僕の様に、なんともならない状況になる前に、改善をその場で考えて、対応出来ていた。
その話を聞いて、僕なんかが本当にここに居ていいのか、と思わされた。
そして僕の番になり、授業中に書いた反省点を言っていく。言っていく毎に自分が本当に今日何もできなかったという不甲斐なさを、改めて感じて、泣きそうになるが必死でバレないように耐える。
僕が言い終わると次に美玲が反省を言って、最後に「今日はみんなお疲れ様、各自よくやってくれたと思います。次は球技大会なのでこれよりも大変ですが、経験を生かして頑張りましょう。」と締めの言葉があった。
その後不甲斐なかったことを反省しながらぱっぱと、その日の自分の仕事をこなし、美玲よりも先に家に帰った。
家に帰ると久美姉は居らず、リビングの机の上に「今日は明日が休みなので、紗理菜の家に泊まります。2人で仲良くね!」と置き手紙が置いてあった。
部屋に荷物を置き、夕飯を作りながら何回も何回も、今日どうするべきだったのかを頭の中でシミュレーションしていると
ガチャ
「たっだいまー」とテンション高そうに美玲が帰ってきた。
「おかえり、今日久美姉は潮先輩の家に泊まるんだって、」
「そうなんだ〜。おっ、いい匂いするじゃん!晩御飯何?」
「今日はカレーとサラダだよ、食べるから荷物置いて着替えてきて。」
「りょーかい!」と部屋から出て、階段を上がっていった。
戻ってきてご飯を食べて、しばらく経ちゆっくりしていると
「そういえば今日大変だったね」
と、突然言われて、最初なんのことから分からなかったが、総会のことだと気付いて
「ああ、うん。でも、僕は何も出来なかったから」
「そんなことないよ、陽向は頑張ってたよ」
「頑張ったとしても、何も出来なかったなら一緒だよ」
「あれは仕方ないよ、初めてだったから。これからだよ」
「でも、1年生は誘導ちゃんと出来てた」
と少し言い合っているとまた自分が不甲斐なくなり
「もういいよ」と言うと逃げるように、自分の部屋に入っていった。