第13話
家から出た2人は電車で30分程かかるショッピングモールに向かっていた。
渡「今日何する?」
陽「うーん、特にやりたいことはないかな。美穂はなんかないの?」
渡「えっとねー、私はね、夏物の買い物に付き合ってほしい!あと、ゲーセンで2人でプリクラ撮りたい!」
陽「ああ、いいよ。僕の夏服も選んでくれない?センスないから。」
渡「いいよ!じゃあ午前中服見て、ご飯前にプリクラ撮って、ご飯食べてまた服見る感じにしよっか」
陽「うん」
と話しているとすぐに30分経ってしまいショッピングモールに着いた。
渡「着いたね!」
陽「じゃあまずは美穂の服から見に行くか」
渡「うん。私の好きなお店行ってもいい?」
陽「うん、じゃあ案内して!」
渡「2階のセシルナクビーっていうお店なんだけど、めっちゃ可愛いの!」
渡「うーんとね、ここだ!今日はトップスが欲しいんだよね。あっ、これいい!陽向どー思う?」と言いながら美穂は水色のトップスを見せる。
陽「いいんじゃない?詳しくないから感覚だけど。」
渡「心こもってる?適当に言ってない?」
陽「ほんとだよ。今更、建前で言っても意味ないしね」
渡「うーん、これはどう?白のトップス」
陽「うん、いいね。」
渡「ほんとに思ってる?まぁ、いいや」と、他も探すがそれよりいいのが見つからず、その水色と白のトップに絞られた。
渡「うーん、陽向どっちがいいかな?」
陽「どっちも似合うから気に入った方にしたら?どっちも買うのはないの?」
渡「それが、決まらないから聞いてるんじゃん!2つは高いし…」(そーいえば、昨日お母さんが陽向は白が好きって言ってたな)
渡「決めた!この、白のトップス下さい!」
店員「ありがとうございます。では、こちらへ」
陽「外で待ってる」
渡「お待たせ、付き合わせちゃってごめんね。」
陽「良いの買えたらなら、よかったよ」
渡「お手洗い行ってくるから、ちょっと持ってて!」
タタッ
お手洗いから帰って来ると陽向の持つ袋が1つ増えていた。
渡「あれ?陽向なんか買ったの?笑」
陽「いや、僕の服も見てもらうからその…お礼だよ、先に!」
渡「えっ、何それ。」
渡された袋の中を見ると最後まで悩んだ水色のトップスが入っていた。
渡「陽向ありがと!大好き!」
ギュッ
陽「や、やめろよ、恥ずかしいから!」
渡「じゃあ今度この服着てまた出かけようよ!」
陽「ああ、またその服が合う夏にね」
渡「私はいつでも良いんだけどな(ボソッ)」
陽「ん?なんて?」
渡「いや、なんでもない!じゃあゲーセン行こっか!」