それでも君を
01
『これ、誕生日プレゼント。ま、最後だし奮発しといたからな。じゃ、これでサヨナラだな』

 そう言い残し、呆けたままの私を置いてきぼりに彼はバーを出て行った。記念すべき27回目の誕生日だったはずなのに。結婚するから別れようだなんて。自分は彼にとって一体何だったのか。

 私はカウンターに置かれた箱を手に取り、包装紙を破って箱を開けた。中には指輪が入っていた。不意に視界が歪み、あっという間に涙がつーっと頬を伝い落ちた。

『酷いよ・・・バカ』

 そう呟いて、私は泣きながら酒を飲み始めた。



■筆者メッセージ
はい。新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

そろそろ正月休みも終わりと言うことで短編から始めていこうと思います。

また、お付き合いのほどよろしくお願いします
鶉親方 ( 2018/01/04(木) 23:37 )