第1GAME
逸材
北斗が女子バスケットボールの練習に参加してから一か月がたったある晴れた日。
インターハイ予選に向けて北斗はある学校の練習試合を視察しに来ていた。
「北斗君、選手の情報とかは僕に任せて。」
そう言って北斗の横にいるのは同級生の永島一馬。
姉が元女子バスケットボール部主将の永島聖羅でそのことがきっかけでバスケにはまったがプレーヤーとしての才能がでなかった。しかし情報収集及び分析にとてつもない才能があった。それに気づき高校バスケの試合を中心にたくさんの試合に足を運んでいる。
「よろしくたのむぜ。」
二人が訪れたのは
『欅学院高校』
現在女子バスケットボール界でも激戦区と呼ばれているのが東京で、その中でBIG3と呼ばれている高校の一つだ。
中に入ると多くのギャラリーが集まっていた。
「一馬、今日の欅学院の相手どこ?」
「見るならいっぺんに見たいかな?と思って。秋葉学園との練習試合の日程確認してたんだ。」
そう、同じブロックのライバル同士がこの時期に試合をするのもなかなかレアなことだった。
少しすると両校がアップのためにコートに出てきた。
すると一馬が
「先に秋葉学園だけどPGのキャプテン横山を中心としたチームで、エースは小柄ながらテクニックを武器にするエース向井地美音。でも僕の調べ的に秋葉学園はここ数年伸び悩んでる印象かな。」
秋葉学園は10年前までは東京はもちろん全国でも不動の地位を築いていたが最近はめっきりだ。
コートに目を向けると一人異様なオーラを放つ選手がいた。
「一馬、あの欅学院の10番って・・」
「あ。やっぱりわかる?あの子が欅学院を今年圧倒的優勝候補にのし上げた、10年に一度の逸材と呼ばれているゴールデンルーキー平手友梨奈だ。」
平手友梨奈、この名前を聞いて北斗は驚いた。
「あいつ、こっちにきてたのか」
「知ってるの?平手友梨奈のこと」
「中学が一緒だったからな。ただ進路のことは知らなかった。あいつうまいのか。」
北斗はあまり平手友梨奈の実力は把握していなかった。
そしてこの試合、北斗の想像を超えるゴールデンルーキー平手友梨奈の実力が発揮されることになる。

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■筆者メッセージ
アドバイス等ありましたらよろしくお願いいたします
シベリアス ( 2018/12/14(金) 19:31 )