TAKE7
revival
西野家
「え、翼・・・うそやろ。なんで・・・・」
西條家
「嘘。お兄ちゃん。お兄ちゃん・・・」
「翼、そんなぁ」
「母さん、俺はドイツへ行く。奈々未と飛鳥を頼む」
「わかったわ。すぐ連絡頂戴」

桜花イレブン
「おいおい翼。大丈夫だよな?あいつは」
「何やってんだ翼!僕らは信じてるぞ。」

名古屋では
「お姉ちゃん、おにいが・・」
「パパに連絡してみる。」
「翼・・・・」

誰もが思いもしなかった出来事だった。
それから一週間後。
「ここは・・・どこだ・・・俺は一体。なんでこんなところに。何してたんだっけ」
目を覚ますと病院のベットにいた。
部屋のドアが開き
男の人が入ってきた。
「翼、大丈夫か?」
いきなり俺の名前を呼んだこの人は一体。
「あの、失礼ですがどなたですか?」
「なんの冗談だ?」
「そんなこと言われましても」
「お前の親父だ。」
「俺の父さん・・・ですか?」

すると父さんらしき人がドクターに呼ばれていた。
「先生、あの子は一体どうなっていまったんですか?」
「信号無視の車とぶつかった衝撃で頭を強打した影響で、記憶を失ってます。」
「治るんですよね?」
「ふとした時に戻ることもあります。ただ今はなんとも・・・」
「そうですか・・・」

親父は日本へ電話を掛けた。
俺の状態を伝えた。

なぜこのようになったのか・・・それはドイツにきて一か月半の間に起きた出来事がきっかけだった。物語は西條翼二度目のドルトムント挑戦の初日へ時計を巻き戻す。

チームに合流するとそこにはなつかしいメンバーが集まっていた。
「来たね翼」
声をかけてきたのは俺の終生のライバル
ミヒャエル・シュナイダー。
「久しぶりだな。短い期間だけどよろしくな。」
「日本はどうだい?」
「まあまあかな?とりあえず日本一にはなってきたけどな」
「多少苦労したみたいだけど行ってよかったみたいだね」
「ああ」
ほかのチームメイトも元気そうだ。
昔話をしていると監督がグラウンドに現れた。
「翼、また一緒にできることをうれしく思う。頼むぞ」
「任せてください。俺とシュナイダーがいれば問題ないです。」
半年ぶりのドルトムントでの練習。
日本ではなかなか体験できない豊富な種類が用意されていた。
練習後、ゴメスさんに呼び止められた。
「お疲れ。どうだった?」
「おもしろかったですよ。まだまだうまくなれそうです。」
「そりゃよかった。それで住むところなんだけど前にいた寮だから。」
「それのほうがありがたいです。」
「じゃぁまた明日な。」
俺はシュナイダー達と夕食を済ませ寮へ。
あの日のまま、部屋も同じだった。
部屋に入ろうとすると隣の部屋から人が出てきた。
「あ、もしかして今日から住む人?」
「はじめまして。日本から来た西條翼です。」
「私は平手友梨奈。よろしくね」
なんか懐かしいな。絵梨花と会ったのもこんな感じだったな。
「平手さんはいくつ?」
「17歳だよ。高校二年。西條君は?」
「同い年だな。」
「ホントに?じゃ私のことてちって呼んでよ。翼って呼ぶから。」
「了解。てちはなんかスポーツやってるの?」
「バスケだよ。翼は?」
「サッカー。ドルトムントくるのは二回目なんだけどね。中学時代にここ住んでたし」
「そうなの?私初めてで・・その困ったら力になってもらってもいいかな?」
「いいよ。よろしくなこれから。」
しばらく談笑してから部屋に戻った。
軽く部屋を整理するとベットに飛び込みスマホをいじる。

シベリアス ( 2018/07/11(水) 22:10 )