TAKE7
rolling
「みんな、心配かけてごめん。」
七瀬は黙って俺を抱きしめる。
「無事でよかった。心配したんやで。あほぉ」
俺は七瀬の頭を撫でながら
「みんなの応援で勝てた。もう大丈夫だから」
その瞬間七瀬以外のメンバーが雪崩のように俺にとびかかる
「ちょっとまて・・おいおい」
「ほんと世話のかかるやつ。鷹君に心配かけるのとなーちゃん泣かせるなんて犯罪よ。捕まってしまえ!」
相変わらず俺の扱い・・・
「悪かった。白石応援ありがとうな。」
「千歳の次くらいにはカッコよかったよ。おつかれ。」
「衛藤もありがとう。千歳にも助けられた。すまん!」
「お兄ちゃんが殴ってごめんね翼君」
「大丈夫だよ未央奈、あいつのおかげで目が覚めたんだから。むしろ感謝してる」
「これからは私たちも頼りなさいよ。姉弟なんだから。」
「奈々未、ありがとう。頼もしいよ。」
飛鳥を見ると涙目でこっちを見ている。
これはどのパターンだ。
まぁ迷惑かけたしな。
俺は両手を広げて
「飛鳥、心配かけてごめん。お詫びだ。」
飛鳥は全速力で翼の胸に飛び込んだ
「バカ兄貴!ちゃんと優勝して飛鳥ちゃんに金メダルかけろ!約束だからな!」
あーこっちか。
でもなんだろう。素敵な友達 カワイイ彼女 頼もしい姉といとおしい妹。
俺はとことん幸せ者だ。
みんなに礼を伝えホテルの中へ。
そこには監督と話をしている親父がいた。
「もう大丈夫そうだな。さっき玲奈から電話もらってな。悪かったな。色々隠してたみたいになって。」
「いいんだよ。これで家族のすべてがつながったんだから。親父、今までありがとうございました。。これからもよろしくお願いします。」
親父はただ俺の頭をポンっとたたき
「何かしこまってんだ。お前は俺の子だ。なんも気にしなくていい。自分の信じた道を進め!このチームならお前は輝ける。それくらい素敵なチームメイトじゃないか!サッカーを楽しめよ翼!」
そう言いながら親父は七瀬たちのほうへ向かっていった。
俺はもう一度頭を下げチームのみんなに合流した。

シベリアス ( 2018/07/11(水) 22:04 )