TAKE5
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君大丈夫かね?」
審判が心配そうに見つめる。
俺はむくりと立ち上がり桜花イレブンを見渡す。
なんだよこの人たち。頼りになる人たちだなぁ。
自然と笑みがこぼれる。
「頭打っておかしくなった?」
あきれた顔した鷹山
「気を失ってるときみずほに会ったよ。カッコ悪いって。楽しんで来いってさ」
「世話の焼ける元カレだね翼は。みずほも大変だ。んで頭は冷えたかい?」
「わりぃ。もう大丈夫だ!サンキューな鷹山」

残り時間は3分程度
審判に試合続行を告げFKのセットにはいる。
「鷹山、蹴ってもいい?」
「だめ!って言っても蹴るでしょ((笑))いいよ。その代わり決めてよ?」
「任せろ!」

壁を作り万全の守備体制にはいる栄学園。

「ねぇ!なぁーちゃん。みて!翼笑ってるよ」
「ほんまや。大丈夫なんかな??」

「翼・・・小学校の時と同じ顔してやがる」
「パパどうゆうこと」
「飛鳥達は知らないんだったな。あの顔してる時の翼とんでもないことするんだよ!見ててごらん?」
「まったく心配させないでよ。」
桜花の運命は翼の右足にかかっていた。
俺がここで楽しくサッカーができてるのは最高の仲間がいるからだ。
なのに・・・バカだろおれは。
勝ちたい!この仲間と!
一息つくと審判の笛がなる。
翼は助走をつけファーサイドへけりこむ。
美しい弧を描いたボールはGKが一歩も動けないほど素晴らしい放物線を描きゴールへ突き刺さる。
蹴った瞬間入ったと確信した俺は桜花応援席へ拳を突き出す!
スタジアムが大歓声に包まれる。
チームメイトが翼をもみくちゃにする。
「やりやがったなこの野郎!」
「心配かけやがって」
「外してたら殺してたぞ」
みんなの祝福がたまらなくうれしかった。
「まだだ!みんなで勝ちにいきましょう」
「偉そうに。それでこそ翼だよ」
鷹山とハイタッチを交わしポジションへ戻る。
試合が再開。
栄はパワープレーで桜花ゴールへ襲い掛かる。桜花はそれを防ぎ陸が大きくクリアをした。
そのボールはハーフライン手前にいた俺の元へ。
トラップすると正面には将基が。
「まだだ。負けてたまるか。」
両チームの応援席からこの日一番の声援が飛ぶ。
「わりぃな将基。俺の・・・俺らの勝ちだ。」
俺は一瞬で将基を交わした。
相手は攻撃に人数をかけていたため俺の行く手を阻むのは二人だけだった。
「いけ翼!!」
桜花イレブンの声を背に
翼の単独突破が始まる。

シベリアス ( 2018/07/11(水) 21:59 )