3章
19話
その後も体育祭は順調に進み、最後の種目である男女混合リレーが行われようとしていた。スタートラインには僕たちのクラスの第1走者である長濱の姿もあった。

「On yourmarks Set」

「パンッ!!」という合図とともに、一斉にスタートをした。しかし、長濱が隣を走っている人と交錯してしまい転倒してしまった。長濱は何とか立ち上がり、少し足を引きずりながらも次の走者の仲島にバトンを繋いだ。

長濱はすぐに救護所に連れられて行っていた。少し遠目で見たので気のせいかもしれないが、長濱の目には涙が浮かんでいるように見えた。

その後の走者の頑張りもあり、順位も着々と上がり2位まで順位を上げていた。自分の前の走者がバトンを受け取り走り出したので、レーンに出てスタンバイをする。1位のクラスの隣に並ぶ。

「4組のアンカーは海崎なんだ」

「うん、1組のアンカーは成瀬なんだな」

1組の女子が先にテイク・オーバー・ゾーンに入ってくる。そして成瀬にバトンが渡り、成瀬が走り出す。少し遅れて、守屋からバトンを受け取って、走り出す。成瀬との距離は2、3メートル。成瀬の後ろを追いかける。

クラスの待機場所の前を走り抜ける。クラスメートからは声援が飛ぶ。声援のおかげで力が湧き、成瀬に並ぶ。しかし、相手は成瀬だ。簡単には抜かしてくない。成瀬と競ったまま、最後の直線に入る。

「湊ー!!!がんばれーー!!!!」

大きな声が耳に入ってくる。その声は僕にとっては誰の声援よりも力が湧いてくるものだった。そして、成瀬を抜き、1位でゴールテープを切った。



■筆者メッセージ
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これからも頑張って執筆するので、読んでいただけると幸いです。

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アゲハ ( 2019/01/21(月) 00:33 )