AKBの執事兼スタッフ


















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第7章 憧れの人
32 storys 〜出逢い〜
  「え!?・・・」
 珍しく秋元さんから食事に誘ってきた。 どういった風の吹き回しやら、断る理由もない。
  「大事な話があるんだ」
そんあことを言われたら、是が非でも行かなければなるまい。
  「わかりました。 じゃあ、僕が迎えに来ますよ」
  「あぁ、頼むよ」
やけにアッサリとした後味だったが、やむなく仕事に向かった。 そして、約束の時刻に秋元さんを訪ねた。

  「いつもの居酒屋に行ってくれ。 個室を予約してあるから」
スーツに身を包んだ総合プロデューサーは、助手席に座りながら告げた。 プライベートでも、戸賀崎さんを交えた3人でよくそこは行っている。 秋元さんとそこの店主が友達らしく、大事な話し合いの際でもそこを利用している。
駐車場に車を停め、店に入った。 個室に通され、僕はコーラ、秋元さんはビールを注文した。 
  「で、大事な話というのは?」
いきなり質問を切り出した。 この方が、良い空気で話せると思ったからだ。
  「HKTの2ndシングルを、今制作中なんだが。 そのカップリング曲を、お前と森保に作ってもらいたいんだ」
運ばれてきたコーラを吹き出しそうになりながら、秋元さんの真剣な眼を見た。 どうやら、冗談ではないらしい。
  「48グループの中でも、初めての試みだ。 もちろん、多少のリスクは承知してある」
  「多少って、リスク多すぎですよ」
  「だから、助っ人を呼んだんだよ」
すると、秋元さんはスマホを取り出して誰かに電話をし始めた。 壁に掛けられているメニューを見ながら、終わるのを待つ。
  「悪かったな。 今からお客が1人増えるぞ」
秋元さんの笑顔の奥で、個室の戸が開いた。 やけに背が高いその人は、うすく笑いながら入ってきた。 その人の顔を確認したとき、視界はその人にピントが合い、耳からの情報は全てシャットアウトされた。
  「君が丸山君か。 お噂は、この秋元さんから聞いているよ」
その人は秋元さんの横に座った。
  「お前の楽曲制作を、この布袋にサポートしてもらおうと思ってる」
ビールを飲み干しながら、自慢げに話す総合P。 そして、その横には日本を代表するギタリスト。
 布袋寅泰 僕がこの世で最も憧れ、尊敬するギタリスト。 BOOWY、COMPLEXといった名高いバンド、ユニットで活躍してきた。 お馴染みの幾何学模様のギターを抱え、踊るように弾き、唄う。
  「この間のスーパーアリーナ、聴かせてもらったよ。 まさか、僕のシグネチャーで出るとは思わなかったよ」
このギタリストとの出逢ったこの夜は、まだまだ続く。

Zodiac ( 2013/08/20(火) 19:40 )