AKBの執事兼スタッフ


















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第5章 in さいたまスーパーアリーナ
27 storys 〜完走〜
 極力メンバーよりも目立たないように演奏した。 目立つのは、自分のライブだけで充分だ。

 自分的にはミスなく演奏することができた。 程度が程度なので、クオリティーは求めなかった。 だが、たかみなさんやあっさんから笑顔がこぼれていたのがとてもうれしかった。 ギターソロではあっさんと優子さん、僕とたかみなさんが近づいて弾き合った。 アウトソロは思いっきりアレンジを加えて演奏した。 これは、リハーサルの時からやっていて、メンバーも事前にわかっていたから戸惑いもなかったであろう。
 ライブならでわの曲の最後。 めいっぱい楽器をならし、観客を煽る。 最後は僕に優子さん、あっさんにたかみなさんのジャンプで終わった。 ギターを肩から外してスタッフに私、マイクをスタンドから外した。 バンド組のメンバーとハイタッチを交わしながらステージの中央に寄る。 
  「最高のギター、丸山晃汰君に大きな拍手を!」
優子さんがマイクを通して叫ぶ。 客席に向かって頭を下げる。 大きな大きな拍手に、頭が上がらなかった。 やんでから頭を上げると、バンド組以外のメンバー達もステージに上がってきていた。
  「最高のメンバー達に、今一度大きな拍手を!」
今度は僕がマイクで話した。 優子さんがニッと笑いかけ、頭を下げていた。  
 続々とメンバーが熱い観客と客席に別れを告げるなか、1期生と僕だけは最後まで残っていた。 そして1期生と僕だけになると、手を繋いで客席に一礼をした。 
  「サンキュー! また会いましょう!」
最後に、僕が言い残してステージの証明は消え、会場内の証明が徐々に点いた。 バックステージでは、再度ハイタッチやハグをするメンバーがたくさんいる。 
  「お疲れ、総指揮兼ギタリスト!」
後ろから声をかけてくる奴がいる。 振り向いて、拳と拳を合わせた。
  「打ち上げの手配は?」
ネクタイを緩めながら京介に訊く。
  「万全だ。 あとは、出発を待つだけだ」
背伸びをしながら答える相棒は、どこか頼りがいがあった。
 京介と別れた後、メンバー達との写真撮影で持ちっきりだ。 僕も自身のぐぐたすで写真を載せてみた。 多くのコメントと+1が押されており、どれも肯定的なコメントばかりで安心した。

Zodiac ( 2013/08/19(月) 19:31 )