AKBの執事兼スタッフ


















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第3章 初大仕事
13 storys 〜グアム2日目 97年生会〜
 グアム2日目 今日の予定は、メンバーはダンスのレッスン。 僕達スタッフは撮影場所の確認やらです。
  「ここの海岸あたりが良いかと・・・」
 ホテルの会議室で撮影場所の決定会議を行っている。 先程の発言者は、僕です。
  「丸の意見に賛成です」
 1人のスタッフを皮切りに、すべてのスタッフが僕の意見に賛同してくれた。 満場一致の理由は、他にも候補があったのだが、率直に発言したのが僕が初めてであったからなのかもしれない。
  「続いて役割だが・・・」
 戸賀崎さんの声が室内に響く。 今回の僕の役割は沢山ある。
 まずはカメラマン。 撮影時のヘリ操縦・編集・通訳・機材者運転・カメラ車運転etc そして、メンバーの接待といった、極めて沢山の役目がある。
  「こき使われてるじゃん、俺ら・・・」
 会議が終わったのは、空が暗くなり始めた頃だった。 ロビーで珈琲を飲みながら、京介が低く言った。
  「仕方がない。 これだけ有能な人間2人を使わないで、どこで使うって言うんだよ」
 飲み干した紙カップを潰して、立ちあがった。 近くにあったゴミ箱に投げ捨て、歩き出した。 後から京介がついてくる。 
 その時、スマホが振動した。 マナーモードに設定してあったため、音は鳴らなかった。
  「もしもし?」
  「あ、晃汰? まどかだけど・・・」
  「どうした?」
  「ご飯食べた後、同級生で集まるんだけど、来れそう?」
  「ん〜と・・・ 行けるぜ。 じゃあ、京介も誘って行くよ」
  「うん、そうして。 カラオケでやってるから」
  「ご飯の後だよネ? 分かった」
  「待ってるね」
 通話は、まどかの方から切った。 その内容を京介に知らせた。 珍しく乗り気な京介だった。
 今晩は97年生で食事をとった。 珠理姉さんは学年は上だが97年生なので、飛び入り参加となった。
  「変な感じ・・・」
 珠理姉さんを見て呟いた。 中学で言ったら先輩と呼ばなきゃいけない人と同じ年に生まれたなんて・・・
  「早生まれってそんなもんだよ」
 高橋朱里がパスタを巻きながら言った。 その意見に、姉さんは激しく同意した。
  「だって、さんをつけなきゃいけないしさ・・・」
 わざと姉さんに視線を合わせない様に言った。
  「それは、表向きってもんだからしょうがない」
 自信満々に姉さんは言い放った。
  「ところで、皆受験どうなってる?」
 優等生の加藤玲奈が、最もらしい現状を確認してきた。
  「僕と京介と花音は、大学までノンストップで〜す」
 少し勝ち誇って言った。 皆からは いぃな〜 と妬む声が聞こえた。
  「正直、勉強してる暇が無いんだよね・・・」
 HKTに入りたてのまどかは、芸能界の厳しさを受け入れられずにいるのかもしれない。 と、勝手に想像をした。
  「珠理奈さんは、どうしてたんですか?」
 玲奈が、姉さんに質問した。
  「一応勉強はしてたよ。 一応高校も入れたし」
 ジュースを飲みながら姉さんが答えた。
  「そっか。 やっぱ勉強しなきゃね」
 朱里がボソボソと言った。 なんとかフォローの言葉をかけれた。
  「でさ、学校とかで話題にならない? 誰だれのサイン貰ってきて〜とかさ」
 空気をよんだまどかが、話題を変えた。
  「俺はしょっちゅう。 1番多いのはアドレスくれ みたいなの」
  「まじぃ〜!? で、あげるの?」
 姉さんが面白そうに訊いてくる。
  「あげませんよ。 大事な個人情報。 ましてや芸能人の」
 囲む同級生は、 だよね と、首を縦に振った。
  「あ、もうこんな時間。 そろそろカラオケ行かなきゃ」
 まどかが時計を確認して、腰を浮かせた。 それをキッカケに、全員立ちあがってレストランを出た。
  「何歌おうかな〜」
 カラオケボックスに入って、早くも端末を手にしている珠理姉さん。
  「さすがに、持ち歌を歌うのは駄目だよね」
 朱里が笑った。
  「じゃ〜、トップは私で!」
 姉さんが勢いよく立ちあがり、マイクを握った。 姉さんの歌声は、良いと言うよりも、カッコイイと言った方が正解かもしれなかった。
  「じゃ、次はわたしが!」
 次に立ちあがったのは花音だ。
  「機械壊さないでネ」
 僕の挑発に、花音は、こっちを睨んだだけだった。 花音が歌ったのはポップ風なナンバーだった。 アーティストは知らない。
 花音が歌い終わり、朱里・まどか・矢倉楓子・近藤里奈の順で歌った。 そして、視線は一気に僕に集まった。
  「晃汰、歌ってよ」
 まどかが軽く肩を叩いてきた。 
  「俺が歌うの、皆しらないと思うよ・・・」
 一応断りの言葉を入れると、皆は いいから と、期待している。 端末で曲を入力し、マイクを持って立ちあがった。 曲は、布袋寅泰のサレンダー。
  「うま・・・」
 同級生は絶句した。 ただ、2人を除いてだけど。
 僕は歌い終わって席に戻った。 
  「なんでそんな上手いんだよ」
 姉さんがちょっかいを出してくる。
  「天性ですよ、天性」
 ちょっと気取って答えた。
 この後、時間がきてしまい、97年生会はお開きとなった。

Zodiac ( 2013/08/18(日) 20:46 )