AKBの執事兼スタッフ


















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第18章 完結・・・・・・・!?
99 story 〜家族再集結〜
 久しぶりに実家に帰ってきた。 帰ってきたというよりかは、強制的に帰ってこさせられたと言うべきか。 しかも両親と大学生の兄も揃っていて、なにやら深刻な問題が勃発したのかもしれない・・・


  「んで、皆暗い顔してどーしたんだよ。 脅迫状でも届いたのかよ」

 せっかくまどかとのデートを断って帰ってきたので、怒りが僕の中に満ち溢れている。 そんな苛立ちを口調に出し、荷物と上着をじいやに預けながら椅子にもたれた。足と腕をおもむろに組み、相対する父親を睨んだ。

  「そんな怖い顔をすんなよ。 実はな、父さんと母さんはまた日本に戻ってこれることになったんだ。 また4人で暮らせるんだ」

まだ40前の親父は、嬉しそうに眼を細めながら僕と兄を見た。 さっきまでの暗いムードとは真逆な明るいニュースを聞かされた僕は、開いた口がなかなか塞がらない。

 その後、久し振りに4人揃っての夕食をとった。 いつもは1人でじいやに愚痴をこぼしながら食べていた料理も、4人揃って食べると何十倍も美味しく感じられる。 こんなにもダイニングテーブルが狭く感じられたのは、とてつもなく久し振りだ。 

  「イギリスだと日本の情報はほとんど入ってこなくてさ。 どういうことが日本で起きてるのかさっぱり分からなくてさ」

食後のワインを味わいながら、父はテレビのスイッチを入れた。 すると、京介と僕が出演している映画のCMがちょうど流れた。 僕と京介が銃を撃っているシーンが流れ、何人かのメンバーと共に宣伝をしているシーンも流れた。 次のCMに切り替わると、父はグラスを傾けて僕に訊いてきた。

  「仕事は楽しいか?」

そんな言葉が父の口から出てくるとは思っていなかったので、思わず父の方に向いた。父は柔らかな笑顔を浮かべている。

  「凄い楽しいよ。 皆凄い素敵だしかっこいいし、スタッフさんとかも凄い人達が集まって・・・ 毎日が本当に新鮮だし、刺激的だし・・・」

  「そうか。 そんならよかった。 お前の事だから周りと上手くいかなくて、てっきり投げ出してるんじゃないかと思ったよ」

  「んな訳ないだろ。 ちゃんとプロ意識もってやってるよ」

悪戯な笑顔を父に向けた僕は、傍に置いてあったスマホを手に取って立ち上がった。

  「明日も仕事だから、もう寝るよ」

 こんな日常的に当たり前な言葉を父さんに向かって言ったのは、何年振りだろう。 そんなことを考えながら、父の返答を待った。

  「あ、まだ話があるんだ」

少し焦って僕を引きとめた父は、じいやにワインのおかわりを注いでもらいながら、今度は真剣な顔で僕を見た。 その表情にただならぬものを感じた僕は、父の正面のソファに腰掛けて足を組む。

  「晃汰、イギリスで一緒に働かないか?」



■筆者メッセージ
総選挙で疲れ切った作者は、またサボっていました・・・
すいませんでした(汗)
Zodiac ( 2014/06/22(日) 19:18 )