AKBの執事兼スタッフ


















小説トップ
第15章 合宿
81 storys 〜合宿5日目 救出〜
  「GPS発信地に到着! レスキュー隊員、降下!!」

 京介が乗るヘリが、咲良たちの真上に到着した。 安心して座りこむ2人に京介が尋ねた。 咲良と碧唯は、今まであったことを話した。 晃汰との別れを1番先に話、京介に言った。

  「晃汰が死んじゃう! 早く晃汰を捜して!!」

隊員によって救助された2人は毛布にくるまれた。 

  「じゃあ晃汰は、1人で熊と戦ってるのか・・・」

悲しそうな眼で頷く2人を見て、まずはメンバーの安否であることを京介は再認識した。 すぐさまスマホを手に取り、戸賀崎さんに連絡をした。

  「京介です。 咲良と碧唯の無事を確認! 救助しました。 今から2人をホテルに移動させます」

受話器の向こう側の戸賀崎さんからは、安堵ため息が漏れる。 だが、すぐに違う質問が飛んでくる。

  「晃汰に関しては、2人を安全にホテルに送り届けてからです」

こんな冷静な対応を見せている京介だったが、彼がいち早く晃汰の元に駆けつけたかった。

 
 日付が変わった真夜中でも、ホテルで待機する者誰一人が寝ようとしなかった。 小学生のなこみくでさえ、3人の無事を待ち望んでいる。 そんな時、戸賀崎さんがスマホを取り出した。 全員が戸賀崎さんを凝視するなか、彼の口元が緩んでいくのが見えた。 通話を切り、咲良と碧唯の無事を全員に叫んだ。 メンバーは泣きながら飛び上がって喜んだ。 だが、まどかだけは冷静だ。 もちろん2人の安否を知って安心したが、あと1人の不明者の行方を訊いた。

  「まだ見つからないらしい。 あいつなら、必ず生きてる・・・ 必ず」

今度は落胆のため息を深くついた。 グッタリと椅子にもたれるまどかを、もはやだれも勇気づけられずにいた。 端正な顔を両手で覆った時、ホールの扉が勢いよく開いて、京介が飛び込んできた。

  「咲良と碧唯が到着だ! 待たせたな」

京介が片手で大きく開けたドアから、咲良と碧唯が泥だらけな服でホールに走りこんできた。 メンバーが泣きながら迎え入れ、咲良と碧唯も涙した。 戸賀崎さんが目元を抑えるのを見届けた京介は、次のミッションに向かうために扉を閉めた。 

  「見つかったか?」

ヘッドセットで、一方のヘリと交信する。 残念ながら、まだ発見には至っていない。舌打ちをして交信を解除する。 ふと、背後から近づく気配に気づいた。 大体は見当がつく。

  「聞いての通り、晃汰はまだ見つからない。 それでも、探しに行くって言うのか?」

歩みを止めないまま、背後のまどかに尋ねる。

  「うん。 待ってるだけじゃ嫌だ。 私が探しに行く」

・・・晃汰も気が強い女を選んだもんだ。 と、心の中で苦笑いをした京介は、立ち止まって振り向いた。

  「動かない晃汰を平常心で見れる自身があるなら、来い」

京介は、自分自身でも無理な事をまどかに言い放った。 まどかは困惑した顔を見せたが、意を決して京介について行った。

  
 ポケットから取り出したスタングレネードを、熊の足元に転がした。 その瞬間に岩陰に飛び、眩い閃光から身体ごと守った。 熊は驚いたような鳴き声を上げ、眼を腕で隠した。 特殊なサングラスを付けた俺は、怯んだ熊に何か所もの刺し傷をつけた。 だが、眼が見えないはずの熊は怒りにまかせて蹴りをかましてきた。 それをモロにくらってしまい、3m先に叩きつけられた。 一瞬意識が遠のいたが、なんとか正気でいられた。 起き上がろうと腕をついたが、今の衝撃であばら骨が2,3本逝った。 だが、振り落とされた脚を転がりながらよけ、痛みを我慢して立ち上がった。 無意味だと分かってたが、SOCOMを乱射する。 そのうちの何発かが傷口に命中し、急に千鳥足になった。 これは使えると思い、傷口だけを狙って引き金(トリガー)を引いた。 どんどん眼が虚ろになっていきのを確認し、最後の力を振り絞ってナイフを握りしめる。

■筆者メッセージ
熊は怖いですね(笑)
Zodiac ( 2014/03/24(月) 14:41 )