AKBの執事兼スタッフ


















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第15章 合宿
79 storys 〜合宿4日目 5 未知との遭遇〜
 続々と、2人1組になったメンバー達がスタート地点から折り返し地点を通って、スタート地点まで帰っている。 リタイア者はいなく、泣きながらも全員ゴールしていく。 

 そんな中、事件ともいうべき事故が起きた。 それは、碧唯と咲良ペアがルートを歩いてる時に起きた。 折り返し地点に差し掛かった頃、突然天候が激変したのだ。 今の今まで雲一つない月夜だったのに、いきなり激しい雷雨となったのだ。

  「碧唯、咲良! 大丈夫か!?」

急いで2人のもとにかけつけた。 2人は少し驚いた顔をしていたが、泣き出しはしなかった。 咲良にはマントを、碧唯にはジャケットを肩にかけた。 胸のホルスターやナイフが丸見えになってしまったが、2人の体温維持にはこれしかない。 京介は運悪く、先に折り返していたまどかとなつさんペアを警護していた。 あちらは既にスタート地点が見えるくらいの場所にいたから、恐らく大丈夫だろう。 こちらもさっさと行動を起こす必要がある。

  「こ、晃汰・・・ あ、あれ・・・」

 怖じ気づいたような力のない声を、咲良は出した。 指差された方を見ると、人影のようなものがある。 SOCOM(麻酔銃)に搭載されたライトを点灯させて、僕たちは命の危険を察した。 人影の正体は人間ではなく、大きな熊だったのだ。

  「2人とも、動くなよ・・・」

背後の2人に聞こえるぐらいの小さな声で囁いた。 眼は、依然としてクマと合っている。 下手に動けば2人がやられる可能性があるし、人間用の麻酔銃だけじゃ太刀打ちできない。 スタングレネードは碧唯に貸したジャケットの胸ポケットだし、取りに行こうと背中を向ければ引き裂かれる可能性もある。 

  「晃汰! 応答してくれ!!」

 必死な戸賀崎さんの声が、ヘッドセットから聞こえてきた。 僕は至って冷静に応答する。

  「戸賀崎さん、咲良と碧唯は無事です。 ですが・・・」

連絡はここで途絶えた。 

  「晃汰! 晃汰!!」

戸賀崎さんは必死に無線機に向かって叫んだ。 だが、ノイズが晴れることはなかった。 

  「恐らく、晃汰のヘッドセットが壊れたんでしょう。 どのみち、救助を送る必要があります。 父の友人に、特殊部隊の出動の要請をします」

防寒用のテントからメンバーが続々と森に飛び出して行ったが、京介が制した。

  「今お前らが行ったところで足手まといだ。 咲良と碧唯は無事だから、落ち着け」

すると、まどかがさらに突っ込んできた。

  「晃汰は? 無事なんでしょ!?」

京介は背後のまどかを肩越しに見た。 まどかや他のメンバーが悲しそうな眼で京介を見る。

  「・・・執事は自分を犠牲にしてお嬢様をお守りする。 万が一のことは、考えていた方が良いかも知れないぞ」

京介はそう言い残し、大きなライトを担いで森に走り去った。 残されたまどかは、涙が零れるのを必死にこらえるのに精いっぱいだった。

  「絶対生きてろよ、晃汰・・・」

京介はそう呟きながら、真っ暗な森の中を走り抜けた。

■筆者メッセージ
みるきーのCM、メチャクチャ可愛すぎですね!!!!
Zodiac ( 2014/03/24(月) 12:11 )