AKBの執事兼スタッフ


















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第15章 合宿
76 storys 〜合宿4日目 2 新企画〜
  「今日はキャップさんにギター教えろだってさ」
 
  「マジで!? 誰に言われた?」

  「秋元さん」

 珍しく、京介と朝食を共にしている。 京介は秋元さんのことづけを預かってきていた。

  「人に聞かせられるぐらいにはしてほしいんだと。 さや姉さんみたいに弾き語りをさせたいって言ってたぞ」

焼きたてのパンにバターを塗りながら、京介は言った。 それを僕はコーヒーを飲みながら頷きながら聞いた。

  「HKTでバンド組ませるんじゃない? とすると、ドラムとベースがいないか・・・」

割と真剣に、HKTバンド計画を考えた。 だが、実現には至らないであろう。

  「まぁとりあえず、スタジオにギター運んどくか」

飲み終わったカップを返却口に置き、夜中に密かに弾いていたテレキャスタイプのギターをケースに入れた。 残念ながら今回は布袋さん仕様の黒いテレキャスターだが、幾何学模様ではない。 最近は布袋モデルよりも、こちらのギターを弾く頻度の方が高い。 そろそろ布袋さん依存症を脱却しようと考えているが、出来そうにないのは自分が1番分かっている。

 いつもよりも小型のエフェクターケースを手にし、ギターを肩にかけてエレベーターに乗る。 メンバー達よりも早く朝ごはんを済ませたので、誰かと鉢合わせることはなかった。 ホテル内にある、学校の教室ぐらいのスタジオには誰もいなかった。 ドラムセット1台にJC(ジャズコーラス)のギターアンプ、ローランドのベースアンプにシンセサイザーが1台置かれていた。 

  「あ、時間を訊くの忘れた・・・」

 ふと、独り言が出てしまった。 しかも、午前中はダンスのレッスンだ。 仕方がないので、ギターと機材をそのままにしてスタジオを離れた。 タイムテーブルによれば今はダンスのレッスン中で、スタッフは一時待機とある。 自分の部屋でゆっくりしようかと考えるのは甘かった。

  「ちょっとホールに来てくれ。 新しい企画が発案されたから・・・」

いきなりの電話の相手は戸賀崎さんだ。 いつもながら、用件を伝えればさっさと通話を切ってしまうのはどうかと思う。 だが、企画と聞いて行かない訳には行かないので、渋々歩き出した。

  「今夜、急遽メンバー達による肝試しをすることになりました。 ホテル周辺には内容に合う雰囲気のスポットがあります。 ただ、幼いメンバーもいますので、KKコンビをバレないようについて行かせます」

急な話なので、ここでスタッフがざわつくのも無理はない。 だが、少し楽しみにしている自分もいる。

  「これが、詳細の企画書だ。 役割やルートなんかも細かく書いてある。 くれぐれも、事故の無い様に頼む」

秋元さんと戸賀崎さんが頭を下げ、集まりはお開きとなった。 2人が退出した後僕と京介は、残っていた十何人かのスタッフと打ち合わせをしてからホールを出た。

■筆者メッセージ
久し振りの更新ですいません(汗)

これから何日間か、更新できると思います・・・
Zodiac ( 2014/03/21(金) 13:31 )