AKBの執事兼スタッフ


















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第12章 Continue to protect
59 storys 〜守らなきゃいけない笑顔〜
 あのまどかと共に遭遇した出来事は、すぐに秋元さんと戸賀崎さんの耳に入れておいた。 予想通りの反応を見せる2人に返す言葉が見当たらなかったが、とりあえずまどかに怪我がなかったことが不幸中の幸いだと言われた。 それは僕自身も感じていたことだし、この身体を犠牲にしてもメンバーを守る覚悟はいつでもできている。 

  「とりあえずは様子を見るしかないな。 捕まった1人からかなりの情報が聞けているらしいしな。 警察に任せるしかないな・・・」

戸賀崎さんは肘をつきながら仏頂面で話し、その横の秋元さんもただ頷いた。

  「特に未成年メンバーの暗い時間帯での外出には、マネさんや僕と京介を同伴させることを義務付けてください。 今回は僕がいたから大丈夫でしたが、メンバーだけで遭遇していたら危険でした・・・」

あの時の忌々しい光景が脳裏によみがえり、同時にまどかの泣き顔も浮かび上がってきた。 二度とメンバー達をあんな怖いことに巻き込んではならない。そう固く心に強く誓った。

  「お前から薦められて持ってた警棒、意外と役に立ったよ」

 2人への報告が終わって廊下に出ると、バッタリと京介に出くわした。 久しぶりに顔を合わせたので、ダンスのレッスンを見学しながら雑談に花を咲かせている。
  
  「だろ? 飛び道具だけじゃ限りが必ずあるんだよ。 まぁ、俺とお前が背中合わせで戦うのがベストなんだけどさ・・・」

京介は自分の愛用している特殊警棒を眺めながら言った。 

  「銃じゃ、とてもじゃないけど太刀打ちできなかったよ。 俺もまどかもやられてたよ」

僕は胸のホルスターから抜いたSOCOMのマガジンを1度外し、再度装填してスライドを滑らせた。 それを見た京介は鼻をならし、警棒をしまった。 僕も銃をホルスターに戻し、脇に置いておいたジュースに手を伸ばした。

 目の前では、こじはるさんをセンターに置いた新曲の振り練習が行われている。 改めて、こじはるさんがデカいことに気づかされている。 僕や京介と並んでも、バランスがとれる数少ないメンバーの1人だ。

  「あれ? 2人ともいたんだ・・・」

 汗で濡れた髪をかき上げながら、優子さんが近づいてきた。 タオルを首にかけ、ドリンクボトルを手にしている。

  「随分前からいましたよ。 気づかなかったんですか?」

  「全然。 ドアの方なんか見ないしね」

笑いながら答えた優子さんではあったが、それだけ集中してレッスンしているのが直感で分かった。 その横からこじはるさんが優子さん目当てで登場した。
 
  「センターの気分はどうですか?」

京介がこじはるさんに、ボトルを渡しながら尋ねた。 ありがとうと言いながら受け取ったこじはるさんは僕らに小さく微笑んでから答えた。

  「優ちゃんとか敦子が背負ってきたプレッシャーがよくわかるよね・・・ 私ももっと頑張らなきゃいけないしね」

 せっかく、いつもは天然の小嶋さんがこんなにいいことを言ったのに、優子さんがちょっかいを出して台無しだ。 周りのメンバーはその光景に、疲れた心もすっかりリフレッシュさせることができただろう。

Zodiac ( 2013/12/22(日) 20:58 )