AKBの執事兼スタッフ


















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第11章 2次元vsROCK
57 storys 〜幸い後の不幸〜
  「僕的には、麻友さんは髪を下した方が素敵だと思いますよ」

  「私もこっちの方が好きなんだよね。 最初は賛否両論の声があったけど・・・」

  「ネットの批判なんて、相手にしたら切りがないですよ。 自分は自分なんだって、割り切らなきゃ」

  「本当に、丸ちゃんのそういう考え方好きだなぁ」

  「それがコンプレックスなんですけどね(笑)」

 苦笑いを浮かべながら、グラスに口をつけた。 麻友さんは口元を手で覆いながら笑っている。 その上品な笑い方は花音にそっくりで、少しだけ花音の横顔がフラッシュバックした。

  「そういえば、個人的に僕に1番最初に声を掛けてくれたのは麻友さんでしたネ」

  
  「そうだっけ? 忘れちゃったよ」

鼻で笑った麻友さんは、器用にフォークでデザートのケーキを切り分けた。 そのしやかな指先に、つい眼が釘付けになってしまう。 ふと眼が合うと恥ずかしそうに眼を逸らす麻友さんは、とても2次元ヲタクとは思えないほど普通の女の子の表情をしていた。 

  「今日はごちそうさま。 すっごい楽しかったよ!」

  「いえ、僕の方こそ、嬉しいお話を頂いて・・・ デモテープができたら渡しますネ」

 会計を済ませて店を出た。 もちろん僕が全額払った。 僕としては奢ったという考えは全くなく、むしろ楽しい時間と光栄なお話を頂いたことにしては安すぎるくらいだ。

  「気を付けてくださいネ。 また明日もありますから・・・」

  「うん、わかった。 今日はありがとね♪」

 思わずニヤケてしまうぐらい可愛らしい笑顔を、麻友さんは僕だけに向けてきた。 

 最寄りの駅まで麻友さんを送り届け、僕は真っ直ぐに家に帰った。 相変わらずPCのメールボックスには、えげつないほどの件数のメールが溜まっていて、それらを見るのにも相当な時間を要した。

Zodiac ( 2013/12/22(日) 20:27 )