AKBの執事兼スタッフ - 第10章 学園祭♪
51 storys 〜優勝のおまけ〜
  「ってことで、僕達を1番最後にしてくれないっすか? HKTの事もあるんで、僕が繋ぎ役みたいな感じになりたいんで・・・」

 現在、ステージ部門担当の先生に、HKT側のプロデューサーを交えて協議している。 HKTが来ることは前々から、極秘で話が進んでいたらしく担当の先生もそのことをわかっている。 そしてことは単純に進み、僕のバンドが最後にやることとなった。 だが、HKTを出してはバンド自体の審査に影響するので、結果発表があってから彼女たちを登場させる予定だ。
 
 新たな事件は、開演10分前に発覚した。 例年なら女性客が多いステージ部門の会場に、珍しく男性客の姿が多い。 この時には気にもとめなかったが、何人かがHKTのタオルを首に巻いているのが見えた。
 
  「どこからか漏れたのか!?」

そんな疑問が頭をよぎったが、そんな事を考えている時間はなかった。 オープニングイベントの為にステージに向かった。
 何組もの、興味が無いジャンルのバンドの演奏が終わり、次はいよいよオオトリである僕らのバンドの出番だ。
 
  「まぁ、特に言うことは無いよネ」

 イヤモ二を首にぶら下げた4人は、互いの顔を見合った。 信頼し合った仲間だからこそ、ミスをするなんてことははなっから考えていない。

  「最後は、皆が待ち焦がれたこのバンドだ!!!」

ここぞとばかりに会場のボルテージを上げるべく、声高らかに僕らを紹介した。 先に僕以外の3人がステージに姿を現し、最後に僕が満を持して右手を振り上げながら登場した。 イヤモ二を耳にしていたから歓声は聴こえなかったが、その期待には最大限の演奏でお返ししようと思っている。

 当初は2曲の予定だったのだが、HKTが登場することを考慮して1曲でステージを降りた。 そして結果発表だ。

  「今年も素晴らしかったよ・・・」

ROCK好きの音楽の先生は、満足気に僕らを見渡した。 トロフィーと賞状を巧と周斗に受け取らせ、僕は舞台袖で待機するHKTメンバーに心の準備をさせにいった。 優勝バンドはアンコールをやるのが例年のしきたりなので、もう1回同じ曲を演奏した。

  「えっと・・・ ここで皆さんにお知らせしたいことがあります」

 全力で演奏し終わった後、汗を手渡されたタオルで拭いながら客席に向けてMCを始めた。

  「僕は少し前から、AKB48 というグループのスタッフとして働いています。 そんな中で、最近流れに乗ってる最高にイカしてて、可愛い奴らに来てもらってます。 カモン!」

それだけ良い終わると、僕はさっさと舞台袖にはけて、代わりにメンバー達が元気よくステージに出て行った。 

Zodiac ( 2013/12/17(火) 22:51 )