AKBの執事兼スタッフ


















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第10章 学園祭♪
49 storys 〜今日だけは学生〜
 いよいよ明日に迫った学園祭。 今夜はバンドの練習をして、明日の正午から開催されるバンドコンテストに出る。 僕らのバンドは中等部時代から参加しており、高校生のバンドを押さえて3年間金賞を取り続けている。 今年もオリジナル曲で勝負しようと思っている。 今回僕はボーカルに専念し、布袋モデルは京介が使うことになっている。 ベースは隣のクラスの巧が担当し、ドラムは野球部時代から仲が良かった周斗がやっている。 僕と京介が仕事で抜けている時間が多かったから、曲は巧と周斗にお願いした。 出来栄えは素晴らしく、是非とも歌いたいとも思った。

  「明日学園祭なんだって? 行きたいな〜」

夜中にまどかからLINEが送られてきた。 相当眠かったから、スタンプを幾つか送信してその日はベッドに入った。
 翌朝、ほぼ予定通りの時間に起きると朝の散歩に出かけた。 ライブがある日はこうして散歩をするのが、初ライブからのジレンマとなっている。 

  「相変わらずここの音響は凄いよな。 本格的にも程があるよ・・・」

 機材をステージに運び終え、リハーサルを開始する。 現在、体育館及びその周辺は閉鎖されており、館内には放送部員と各バンドメンバーしかいない。劇場顔負けの舞台装置にのったドラムを、丁寧に調整する周斗を横目に流しながらステージを見渡した。 順番を待つ先輩達が、客席に腰掛けながら僕らを見ている。 足を組みながら見ている人たちに物怖じせず、僕たちはあくまで最終調整と言わんばかりにリハーサルを終えた。 機材搬入の時間も含めて、30分程で終わってしまった。 呆気にとられていたほかの出演者たちの顔を拝み、さっさとクラスの出し物の方に向かった。 
 高等部の学園祭は1学期すぐにあるのだ。 まだ慣れていない環境で学園祭を成功させるのは難しいことだと学園側も充分理解している。 だからこそ、成功後の恩賞が倍以上ということだ。

  「丸山君、花音はこないの?」

クラスメートの女子数人が、同じクラスの花音のことを訊いてきた。 僕はスケジュール帳を取り出しながら答えた。

  「今日は・・・ あ、午後から来るんじゃないかな。 午後は何もないから」

  「そうなの? ありがと〜」

 笑顔に笑顔で返した僕は、持参したマスクをした。 ボーカリストとして、喉の保湿に気を配るのは当たり前だ。 

■筆者メッセージ
更新頻度が毎回遅くてすいません(汗)
暖かく読んでやってください・・・
Zodiac ( 2013/12/16(月) 21:28 )