7章
01
夏。
7月に入り梅雨は明け、毎日が照りつける太陽との戦い。
この時期の口癖は暑い。
登下校の自転車を漕ぐ動作だけで汗が吹き出る。

授業中。
蝉が泣き喚く声をBGMに受ける授業。
正直聞く気にもならない。
横には机にへたる飛鳥。

「あー、暑い。飛鳥ちゃん溶けちゃうぞ、何とかしろ裕樹」

「いっその事溶けたら楽になるかもよ?」

何とかできるものなら今すぐやっている。
持参した団扇で扇ごうにも、そもそもその場の空気をかき回すだけで、結局暑い。
というか扇ぐ動作で汗をかく。

新設校なんだからエアコンぐらいつけておいて欲しかった。
これじゃあ勉学どころではない。
寝ようにも寝れず、ひたすら暑いと嘆きながら無駄な時間を過ごす。

「あー泳ぎたい」

「じゃあさ、夏休み入ったらみんなでキャンプに行こうよ!泊まりがけでさ!」

前の席の斉藤が振り向き、俺たちに提案する。
悪くない。
しかしその夏休みの前に乗り越えなければいけない壁がある。
そう、皆んな大好き期末テストだ。
ここで点が悪ければ夏期講習への強制参加。
キャンプどころでは無い。
まあとりあえずこの事は黙っておこう。
横で急激にテンションを上げた飛鳥に何を言われるかわからない。

そうこうしているうちに、地獄の1限終了のチャイムが鳴る。
教科書を片し、教室を出ようとした新内先生が思い出したかの様に俺を呼ぶ。

「東雲君、ちょっと放課後残ってもらえる?」

「あー、はい、わかりました」

「よろしくね」

そう言って新内先生は教室から出て行った。

「またお説教?」

「わかんね」

俺はまた何かをやらかしたのだろうか。
横で飛鳥がニヤニヤしながら見ている。
言ってやりたい。最初はお前もお説教された側で、俺と同類であると。

その後の授業も、全く集中出来ず、放課後に何があるのかをひたすら考えている間に1日が終わった。


イヴ ( 2018/07/17(火) 00:39 )