10章
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あの後2人でシャワーを浴び、生田を家へと送り届ける。
自転車の後ろから俺に抱き着く生田。
今でこそこうだが、行為直後はもう、それはそれはヤバかった。説明が難しい程に。

「ねぇ裕樹君。なんか私ねぇ、新しい扉開いた気がする」

「あー、ははは……」

「あそこまでされちゃったら、本当に裕樹君しか駄目になっちゃうなぁ」

決して怒っている訳では無い。それは分かる。
しかし、そんな生田が少々怖かった。変な部分を目覚めさせてしまったようだ。

間も無く生田家。
抱き着く腕が緩んだかと思うと、俺の耳に吐息がかかる。

「したくなったら言ってね。裕樹君の為なら私、何でもしてあげる」

ブワッと全身の産毛が逆立つような感覚。

「わ、分かった」

程なくして生田を自転車から降ろす。

「送ってくれてありがとう!また明日ね!」

俺の頬にキスをして、生田は帰って行った。

自転車を漕ぎながらふと思う。
行為の最中生田が言った、俺の人が変わるという事について。
確かに自分でもそう思う節はある。
自分自身、こんな事をするのかと驚く事だってあった。
この学校に入って、様々な出会いの中で確実に俺は変わっていっている。
それは良い意味でも悪い意味でも。
こんなにも俺の事を好いてくれる人がいるのに、俺はこんな自分が好きじゃない。
流れに任せて体を重ねてしまう。
きっとこの先、その事実が彼女達の邪魔をしてしまうと分かっているのに。

そんな事を考えていると、あっという間に家に着いた。
ふと玄関先に人影が。

「あー!やっと帰って来た!」

「え、何、どうした?」

斉藤だった。




イヴ ( 2018/09/15(土) 02:10 )