忘れることのない恋
第1章
8話
咲良との食事会から二日経ち
俺はまだ次のデートでどこ行こうか決まっていなかった。


大地「どうしたんだよ、雄介難しい顔して?」

面倒な男が来た…


雄介「お前には言わん!お前も由紀と同類だからな…」

大地、ニヤリ「その発言、自分で恋愛のことですって暴露してるようなもんじゃん」

雄介「ふーん、俺にそんな態度取れるんだ?誰だっけかな〜昨日夜遅くまで提案書作成に付き合ってあげて、先週は君が無くした書類を一緒に探してあげたのは…大地君、今日の帰りは夜道には十分気をつけるんだよ」

大地「えっ…雄介さん、私が調子に乗り過ぎてました。そうだ今日は僕が日頃の感謝を込めてご馳走させてもらいます!」

雄介「よし、今日は腹いっぱい美味しいもの食べよ」

大地「僕お金無いので、あまり高いものは…」

雄介「んー?聞こえないな」

大地「お好きなように…」


そんなこんなで
大地と夕食を共にすることになった。


結局来たのはいつもの飲み屋
だが、高いものを上から5つ頼んでやった。

大地「お前少しは加減しろよ…」

雄介「お前に奢ってる金額は、これ以上だろうが!むしろ、こんだけで済んでることに感謝しろ」


ガラガラ…

お店の扉が開き、見慣れた顔もやってきた。


由紀「お待たせ〜」

雄介「待ってたよ!ほら、由紀も好きなものドンドン頼みなさい!」

大地「もう勘弁してくれーーー」


さすが、可哀想になったのでお互い少しずつ払ってあげた。


こういう同期との時間は大切にしたい。
自分の気持ちをオープンにしてリラックス出来るから。



家に着き、少し落ち着いたところで携帯を開くと、咲良からLINEが入っていた。

「お疲れ様です!もし良かったらこの後少し電話できますか?」


俺は迷うことなく、咲良に電話した。

少ししたら咲良が出た。

咲良「もしもし、こんばんわ!」

雄介「連絡遅くなってごめんね!どうしたの急に?」

咲良「なんか、夜って寂しくなるじゃないですか。そしたら、雄介さんの声が聴きたくなっちゃって…迷惑ですか?」

嬉しさのあまり俺はガッツポーズしていた。

雄介「全然迷惑じゃないよ。それに、宮脇さんにそんな言葉言われると照れるな…」

二人の間に少しの沈黙が流れた。
そしたら、咲良から沈黙を破ってくれた。


咲良「そういえば雄介さん、私行きたいところあるんです!」

デート先に頭を悩ませていた俺にとって助け舟のような言葉であった。

雄介「どこ?せっかくだし、そこに行こうよ!」

咲良「子供っぽいとか言わないで下さいよ…水族館!」

雄介「よし、じゃあ来週の休みで行こっか!」

咲良「はい!楽しみにしてます!」


誘った側の男として情けないが
結果として咲良の希望が聞けて良かった。


もう仕事より彼女とのデートのことで頭がいっぱいになっていた。



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くろ ( 2018/03/12(月) 20:47 )