エピローグ
01
友一と阿弥は、大事をとって一週間入院することになった。

その間、今まで以上に深く、互いを愛し合い、かたときも離れることなく過ごしてきた。

そして次の週の月曜日・・・

「ようやく学校にいけるね・・・」

「・・・ああ。」

阿弥と友一は、校門の前に立っていた。実に一週間ぶりの登校である。なぜかは分からないが、二人共緊張していた。しかし、その緊張を押し殺しながら、二人は教室に向かった。


                 ◇


「あっ、二人共!」

教室の前の廊下で、奈和が二人に気づいた。

「待ってて、みんな呼んでくる!」

と言って、

「木嶋くん!洋祐!二人共退院したよ!」

と教室に向かって言った。

「あれ・・・奈和ちゃん、今、野木君のこと下の名前で・・・」

戻ってきた奈和に対し阿弥が尋ねると、奈和は少し照れながら、

「実は・・・私、洋祐と付き合うことにしたんだ。」

と言った。

「そういうことだよ。」

と、後ろから奈和の肩を組みながら洋祐が言った。

「おめでとう、野木君!」

「よかったね。」

友一も阿弥も若干驚きながら二人を祝福した。

「いや〜マジでびっくりだったぜ・・・」

常夫が洋祐の横から顔を出した。

「大丈夫!木嶋にも“いつか”彼女ができるから。」

と洋祐は言って、常夫の肩をポンポン、と叩いた。

しかし、

「ところが・・・俺、実は綾巴さんと付き合うことになったんだよね〜」

と言って、洋祐と友一の肩を叩いた。

えぇ〜っ、という声が響くと同時に、チャイムが鳴った。
全員しばし別れ、教室に戻り、席に着いた。



『友達はいないけど一人というわけではない』少年と、『友達はいるけど一人ぼっち』な少女。二人は紆余曲折を経て本当の恋人になった。二人の関係は、この後もずっと続いていく。
しかし、二人にとってはそれでいいのである。




―二人でいる限りは、絶対一人ぼっちじゃないから―










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■筆者メッセージ
これで完結です。
阿弥と友一の関係と同じように、この小説も色々なことがありましたが、ついに完結できました。
今まで見てくれた方々、本当にありがとうございました!次回作もよかったら見てください!

それでは。
darkhero ( 2014/06/29(日) 12:19 )