04
その後、撮影は順調に進んでいき・・・
「よっしゃ!撮影終わり!みんなお疲れ様っ!」
「おぉ〜っ」
常夫の宣言とともに、出演者は全員歓声を上げた。
「先生、なかなかいい演技でしたよ。やっぱり先生たるもの、ノリが悪くちゃ始まらないなぁ〜」
常夫が冗談半分で先生の方を叩いた。すると、
「なっ・・・木嶋、何言ってんだ!人に恥かかせて・・・」
セーラー服を着せられた先生が常夫をどつきながら答えた。
「先生、暴力反対っすよ〜」
常夫と先生の掛け合いを友一は笑いながら見ていた。しかし、それを見つけた常夫は、
「おい牧野、お前もなんか言ってやれよ!」
と言って近づいてきた。
予想外の飛び火に驚き、
「ちょっ、ごめん!これから阿弥と合う約束してるから・・・」
と、咄嗟に言い逃れをして、その場を去った。
今日と明日は文化祭の準備日で、授業はストップしているが、生徒は友一たちを含め全員学校にいる。
適当に言い訳をして阿弥に会いに行った。
阿弥のいる教室に向かうと、ここも文化祭に向け一生懸命準備に励んでいた。
「あっ、友一君!撮影終わったの?」
阿弥が駆け寄ってきた。
「ああ。やっと終わった。」
友一が言うと、
「お疲れ様!これからどうするの?」
「編集は明日木嶋がやるらしいから、もうやることはないよ。」
友一は阿弥に笑いかけた。
明後日は文化祭。阿弥がいればとてもいい思い出になるだろう。阿弥がいるだけで、世界はあざやかになる。
「どうしたの?」
友一が阿弥を見つめていたからか、そう尋ねてきたので
「いや、なんでもない。」
そう答えて手伝いをした。