03
キーンコーンカーンコーン・・・
チャイムが鳴り、教室から生徒たちが続々と出てきた。
友一もその中にいた。理由は言うまでもない。阿弥に会うためだ。
廊下を歩いていると・・・
「牧野君〜、どこ行くの?」
奈和が話しかけてきた。
「えっと・・・柴田さんに会いに行こうと思ってるんだけど、一緒に行く?」
友一が少しつまりながら言うと、
「行く行く!」
と言ってついてきた。
阿弥がいる教室まであと数歩まで来たところで、異変が起こった。
「キャアアアアアアアアア!」
突然、ものすごい悲鳴が友一たちの耳を貫いた。
そして、その悲鳴は間違いなく阿弥のものであった。
「し、柴田さん!」
友一は悲鳴のした方へ走り出した。
「ちょっと牧野君!危ないって!」
奈和は友一に必死で説得をしたが、友一は聞く耳を持たなかった。
そして、とうとう悲鳴のした場所に辿り着いた。
「柴田・・・さん・・・」
ゲームセンターにいたナイフ男が、阿弥の首にナイフを突き立てている。
「来るなよ・・・近づいたら殺すぞ!」
とてもじゃないが助けることができなそうだ。
だが、その時、友一はある人に言われた言葉を思い出していた。