07
「デ・・・デート・・・ですか?」
阿弥が大きな目をさらに大きくして友美に聞き返した。
「そ。君たちの関係さ、なんか見てるだけでもどかしいっていうかさ。とにかく、デートでもしてくれば?」
友美の急すぎる提案に友一は、
「そっ、そんな・・・いくらなんでも急すぎるよ。」
と抗議した。しかし、
「いやいや、いいと思うよ。」
頼人まで支持している。さらに、ほかの女子も、
「行ってきなよ!」
「がんばれ〜」
「羨ましい〜」
かなり乗り気だ。
「じゃあ、私たちはまた服見てるね。」
そう言うと、二人以外は全員またファッションコーナーへ向かった。
「気をつけろよ。」
頼人が友一にそういったのを最後に、二人きりになってしまった。
・・・というわけで、友一と阿弥はみんなの後押しによって、人生初のデートをすることになった。
「えっと・・・どこ行こうか?・・」
友一が阿弥に尋ねると、
「別にどこでも・・・あっ、映画は?その・・・デートの『定番』って感じがするし。」
阿弥は曲がりなりにもこの状況を理解し、受け入れているようだ。