ゲーセン
04
「キャアアアアア!!!」

頼人が友美を迎えに行ってしばらくしたとき、トイレから悲鳴が聞こえた。

「柴田さん!?」

友一が勇気を振り絞って中に入ると、そこには・・・

「ハァ、ハァ、おいお前・・・パンツ見せろや・・・」

いかにも“不審者”という感じの風貌をした男が阿弥の首にナイフを突きつけていた。

「牧野くん!逃げてっ!」

阿弥は涙目で訴えかけたが、ここで引くわけにも行かない。

「や、やめろぉぉぉぉっ!」

友一は男に掴みかかった。
しかし、逆に胸ぐらを掴まれ、

「貴様ァ・・・邪魔するなァ・・・ハァ・・」

さっきの阿弥と同じ状況になってしまった。

「牧野君!・・・」

阿弥は大粒の涙を流しながら友一の名前を呼んでいた。

「柴田さんっ、早く逃げてっ!」

「でっ、でも・・・」

「僕のことはいいからっ!早く!」

阿弥は泣きながら出ていった。


その頃、外では・・・

「ねぇ、今ここからあやちゃんの声がしたよね・・・」

悲鳴を聞きつけた奈和たちがトイレの前に駆けつけていた。
とその時、阿弥が泣きながら飛び出してきた。

「あやちゃん!」

全員阿弥のもとに駆け寄った。

「大丈夫!?」

「早く逃げようよ!」

みんなでそういうと、阿弥は、

「だめっ、牧野君が・・・牧野君が・・・」

阿弥は泣きながらこれまでの経緯を話した。
すると・・・

「ちょっと失礼!」

頼人がトイレに走っていった。

「えっ?今あの人、女子トイレに・・・」

その場にいる全員が頼人を見つめていた。









darkhero ( 2014/04/21(月) 05:55 )