第二章
{仕事部屋}
 昨日は洋介は彩に返信メールをうった後、風が冷たく湯冷めしそうだったため直ぐにベットで寝た。
そして翌日、朝目覚ましの音で起きしばらくボーッとしたあとやっとベットから立ち上がった。

「う〜眠い……」

 ショボショボしている目を擦りながら、洗面所に入って行く洋介。……普段の彼からは想像出来ない姿だった。
 洗面所で顔を洗って目を覚まし、いつものシャキッとした顔になった洋介は台所で自分の朝食を作り始めた。

「朝はやっぱり目玉焼きだろ! テレビ見ながら作るか……」

テレビの電源を入れて作っていく。
出来たものを次々とテーブルに持っていき、食べ始める。
テレビには今日発売の俺たちの曲[イマジネーション]のことを放送していた。
シングルを買いに来た人をインタビューしているみたいだ。ショップには特設ブースまで作ってあり、そこの小さな画面にはPVが流れていてたくさんのCDが置いてある。

「なんか、まだ信じられねーな……大丈夫なのかな? どんぐらい売れるかな?」

テレビを見ている内に朝食を食べ終わった洋介。

「そういえば前にパソコンがある部屋あったけど入ってなかったな……」

 洋介はこの部屋に初めて来たときにほとんどの部屋を見ていたが、パソコンのある部屋だけは時間が無くて見れていなかった。
そのことを思い出した洋介はリビングからでてその部屋に向かった。

「この部屋はパソコンに……ファックスもあるな」

ドアを開け、部屋を見回したらデスクとその上にノートパソコンとファックスが置いてあった。
イスに座り、電源を入れパソコンを立ち上げる。

「……なんでホーム画面の背景がAKBなんだ。ん? これは……業務連絡?」

 業務連絡というところをクリックすると映し出されたのは洋介の1ヶ月のスケジュールと連絡事項だった。
前もって言って欲しかったと思わないこともないが、忘れていた自分が悪いのは明白だった。
洋介はさっそく今日のスケジュールをクリックする……前にたった1つだけ連絡事項が入っていたので、それを開いた。

「ケアマネージャーの仕事について? めっちゃ大事じゃん。」

開いてみると題名には、そう書いてあった。
内容もそのことについて書いてあったのだが、要約するとこういうことだ。

 ケアマネージャーとは主にメンバーの肉体的、精神的なケアをする仕事。
 しかし、基本マネージャーの仕事もしてもらうため仕事量は普通のスタッフより多くなる。
 精神的なケアをするのでメンバーから特別な感情を向けられる時もあると思う。それに答えるかはそちらの判断に任せる。
 メンバーのことを出来るだけ知っていて貰うために今日から全グループ劇場公演を見てもらう。

読み終わった洋介は急いでスケジュールの今日のところを見ると今日は16:30からAKB48チームAの公演だった。 

「これ今見てなかったらどうなってたんだ……?」

 秋葉原ドンキホーテまでの地図を携帯に送りながら、これを見ていなかった場合のことを想像してみた。
……これからこの仕事部屋には世話になりそうだった。

■筆者メッセージ
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呂虎 ( 2014/07/17(木) 22:37 )