第二章
{大熱唱}
「わずかでもチャンス」

そしてふたたび洋介と大我が会場全体をあおるように歌う。

「「come on come on come on」」

サビにむけて曲と会場全体も盛り上がっていく中、龍司が天を仰ぐように歌う。

「繋いで〜!」

洋介たちは龍司が歌っている時に、奥側の少し大きめステージ(メンバーがいるステージとは逆側)に駆け出していた。
そして洋介は龍司が歌い終わると同時に、上るための3段目の階段を思いっきり片足で踏み切って高く跳んだ。
空中で海老ぞりになりステージを両足で踏みしめるとサビが始まり、洋介と大我は奥側のステージで、龍司は出てきた中央ステージで歌いだす。

「「「いつだって 誰だって 強くなりたくって! 間違って イラだって もがき続けて Never give up このまま 終わりたくはない このイマジネーションをかかえて 俺はいくよ」」」

「「「Oh Oh!!!」」」

3人はサビの部分を全力で歌うと最後に大きく息を吸い、会場を揺るがすように歌った。
このあとに2番へ移るための間奏があった。
その時奥側のステージで大我と別れ、ステージの端に向かっていた洋介はこの時間を最高に楽しんでいた。

「見てるか親父、●姉さん…俺はあんたらとは違うんだ!」

マイクを持つ手を下ろしていたから良かったが、それでも大きな声で、自分に言い聞かせるように叫んでいた。
そして間奏が終わり、3人はそれぞれの場所で歌いだす。
…すでにTrumpの音楽は会場全体を魅了していた。

「教科書にある 答えより もっと ぶっ飛んだ 感動を 欲しがっていた」

「込み上げてくる グワァーってなにかが あの頃 信じれる 全てだった Mr.Future」

2番が始まると最初は龍司が、次に大我が歌った。
その間洋介は近くの観客とハイタッチや手を振りながらも盛り上げていた。
洋介とハイタッチした女性の数人は手を握りしめ、それからボーッと洋介を目で追いかけていたが…
そしてサビ前に今度は龍司と大我で盛り上げながら歌いって洋介を指さし、それに答えるように洋介も耳に手をあてて歌った。

「「Hello Hello Hello」」

「聞こえてるかい?」

「「Hello Hello Hello」」

「アンサー!」

観客も次がサビだと分かって会場が揺れた。
しかし、まだまだ全員が一つになれてはいなかった。

「「「ぶつかって 転がって 強くなりたくって 意地はって 立ち上がって 繰り返すけど Never give up このまま 走らせてくれよ  このイマジネーションの先へと 俺はいくよ」」」

『「「「Oh Oh!!!!!」」」』

サビの最後は観客も一緒に歌った。
しかし今度は間奏ではなく、直ぐに大我のソロパートが入った。

「負けたときから 次が始まってんだ 今は苦く渋い味でも Baby いつかきっと」

サビのあとだったこともあって静かに、しかし今までの盛り上がりを冷まさないような歌声だった。
また中央ステージに戻るために移動している洋介と大我が見たのは…
彼ら3人の…Trumpの歌声にあるものは呆然と、あるものは歓声を、またあるものは静かに涙を流している観客、スタッフの姿だった。
だがしかし、まだ曲は終わっていなかった…大我と洋介の2人が中央ステージに戻ってステージの中心で3方向背中合わせに立つと、最後のサビが始まった。


■筆者メッセージ
この曲は、SPYAIRさんのイマジネーションという曲です!
知っている方も多いと思いますが…是非聞いてみてください!
という訳で…
      投票、感想お願いします!
呂虎 ( 2014/07/10(木) 22:46 )