第二章
{2週間後}
「あぁ〜すげぇ緊張する。」

「なに言ってんだよ…俺たちが出るまであと6時間ぐらいあるぞ?」

「…リラックス。」

「…大我にそんなことを言われる時が来るとは…!」

「…確かに大我に言われたらおしまい。」

「2人とも地味にひどくね…?」

「気にすんな。」 「少し本音が出ただけ。」

「……………」

今は3人そろって俺の部屋にいた。
だいぶ龍司とも仲良くなりここ最近は毎日遊んでいるような気がする。

「2人は緊張しないのかよ…」

キ○グレコードでの打ち合わせ、レコーディング、龍司の凶変からはや2週間たっていた。
つまり今日がAKBコンサート…俺たちのデビュー日ってわけだ。
今緊急しないとかこいつら神経図太すぎだろ…

「まぁ会場いりすれば緊急してガチガチかもしんないけど。」

「…洋介が早すぎるだけ。」

「そうなの?俺がおかしいの?」

「…おかしくはない。チキンなだけ。」

「グハッ!」

「相変わらずの毒舌っぷりだな。」

「もうちょっとオブラートにつつんで欲しかったぜ…」

龍司の矢が俺の心をえぐりとっていく。
それも矢に毒が塗ってあったみたいだ…
…バカなことを考えるのはやめとこう。
時間は1時30分か…お腹すいたな少し遅めだけど昼飯食べるか。

「大我〜龍司〜昼飯食わね?」

「…そうだね。」 「腹へった〜洋介チャーハン作ってくれ〜!」

ソファーに座ってテレビを見ている2人に聞くとだいたい予想どおりの答えが返ってきた。
気分転換に料理するのもいいかも知れないな。
大我が俺にメニューの注文をすると龍司がおどろいたようすで振り向いてきた。

「…洋介って料理できるの?」

「俺だって料理くらい少しは出来るぞ?」

「お前の料理が'少し'でおさまるのか疑問だけどな…」

腹へったしちゃっちゃとつくりますか!
冷蔵庫にはあまったご飯やたまご、ウインナーも入っていた。
…そういえばこの前のニンニク料理でニンニクがあまってたから使うか。

「洋介〜早めに作ってくれ〜!」

「分かったからちったー黙れ!」

「…僕は作るの見とこっと。」

「それは良いけど…見たってあんまおもしろくないと思うぞ?」

今から料理しようとしてるときに急かされるのってガチでイラッっとくるよな。
だいたい俺だって腹へってんだから言われなくたって早く作るわ!
ふぅ…落ち着け、俺。
にしても龍司は相変わらずだな…
マイペースというかなんというか…まっそれも個性か。
考え事をしているうちも手は止まることなく動いていく。

「…ご飯炒める前にたまごと絡めるの?」

「ん?あぁ…俺はいつもこういう作り方だよ。」

「…ふーん。…あ、ニンニクのきいたおいしそうな匂い。」

「そうだな。…うしっ!あとはこれを皿に盛り付けるだけと。」

大きめの皿にお椀型にきれいに盛り付ける。
出来上がったチャーハンをテーブルに運んでいく。
俺と龍司は席につき、大我は…ソファーでうつぶせに撃沈してる?

「早くしねーと大我の分くっちまうぞ?」

「わ〜!食べます食べます!」

「…俺が食べようかと思ったのに。」

俺の言葉に大我が反応して席につくと、龍司が大我の皿に伸ばしていた手を引っ込める。
冗談のつもりだったんだけど龍司さん本気だったんすね…
俺たちは賑やかに昼飯を食べ始めた。

■筆者メッセージ
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呂虎 ( 2014/07/05(土) 22:16 )