{携帯}
『AKBの仕事をするにあたって連絡手段が必要になるからこのスマートフォンを使うといい。by秋元』
「なんつーかもう至れり尽くせりだな…」
机の上に置いてあった携帯はアップル社のスマートフォンだった。
初めての自分の携帯に少し興奮してしまう。
さっそく電源をつけて設定の確認をしていた時に優さんからメールがきた。
(今日はもうオフだからしっかり休むよーに!)
「休む、と言っても持ってきた荷物の整理をしないといけないけど…」
そんなにたいした物を持ってきた訳でもないけどさ?
私服は寝室にあったクローゼットにかける。
スニーカーなどの靴も収納スペースに入れたりしているとでてきたのは、一枚の写真だった。
母さん、姉、俺が笑顔で写っている。
「これは…キッチンのカウンターに置けばいいか…」
別にこの写真を見て、感傷的になる訳じゃない。
ただ忘れたくないだけさ…たった数年前の笑顔を。
それに姉の顔も忘れたくない、いや…忘れるわけにはいかないんだ。
逃げた責任…とってもらわねぇとな?
「終わった…か。」
荷物の整理が終わった頃はもう時計の針は午後の9時を回っていた。
ここら辺コンビニあるのかな?
携帯で検索すると徒歩五分のところにコンビニがあった。
すげぇ立地良いなここ…
「ちゃっちゃと飯買ってきますか!」
その後風呂入ってさっさと寝よ。
っとそれなら行く前に風呂沸かしてから行こっと!
自分の部屋での初めての夜はこうして過ぎていった…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ピピピピピッ!ピピピピピッ!ピッ…
「…朝か。」
目覚まし時計の音で目が覚める。
ベッドから降り私服に着替えてリビングへ行く。
そういえば昨日パソコンとかが置いてあった仕事部屋みたいな部屋を見つけたな…
後でちゃんと調べてみよう。
キッチンでガラスコップに水をつぎ、飲みながら今日する事を考える。
「今日やることあんのかな?あとで優さんに電話かけてみよっと!」
昨日コンビニで買ったサンドイッチを野菜ジュースを飲みながら食べていると携帯に電話がかかってきた。
「もしもし?」
「もしもし迅流君かい?秋元だ。」
「あっおはようございます。」
「あぁおはよう。それで今日のことなんだが…君たちのデビューする日が決まった。」
「俺たちのデビューがですか!?」
「そうだ。そこで今日はレコード会社、キ○グレコードさんへ行って打ち合わせともう一人のメンバーとあってもらう。」
もう一人のメンバー…?
俺と大我だけじゃないのか?
「大丈夫。彼とはすぐに仲良くなれるだろう。じゃ、頼んだよ。」
「…え?あっはい!」
もう一人のメンバー、か…どんなやつなんだろ?
…行くか!
あれ?そういやどうやって行けばいいんだ?