日高優月
01
竹内を抱いて1週間後、自宅でくつろいでいた和也の携帯が鳴った。

「はい、もしもし」

「もしもし、竹内です。あの‥先日はどうも‥」

「あ、ああ、こちらこそ‥」

あの夜以来、2人が話すのは初めてなので少しぎこちない会話になってしまう。

「あの‥例の件ですが、メンバーが決まったので連絡しました」

「そ、そうか‥」

「優月をお願いしたいのですが‥」

「俺は構わないけど、日高は?」

「優月もアンケートに和也さん希望って書いてたから大丈夫ですよ」

「しかし‥本当にメンバーを抱いてもいいのか?」

「もう何言ってるんですか!あんなに気持ちよくなれるんですからメンバーも満足してくれますって」

「あっ‥いや‥そういうことじゃなくてだな‥」

「とにかく大丈夫ですから!お願いします」

「分かったよ。で、日時と場所は?」

「明日の20時に同じホテルです」

「了解」

「それでは、よろしくお願いします」

電話を切った和也はソファーに身を沈めた。その時、体の異変に気付く。ペニスが痛いくらいに勃起していたのだ。

「えっ、なんで‥」

竹内と通話していて知らず知らずのうちに1週間前の夜を思い出していたらしい。

「まいったな‥」

そう言えば、あの夜以来精を放っていない。自己処理しようとズボンを脱ぎかけたが手を止めた。

「明日、日高を抱いた時にショボい射精だったら情けないよな‥」

そう呟くと浴室へ行き、熱めのシャワーを浴びた。そして湯船に浸かり何とか股間の滾りを鎮めると、風呂上がりに冷えたビールを1本飲み干し床に就いた。


オレンジ ( 2021/07/27(火) 06:09 )