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「んっ......」
果てている李奈を眺める。目を瞑っている彼女はとても幸せに見えた。暖かい膣から男性器をゆっくり抜くと子供の様な割れ目から白い精子が流れ出す。李奈は処女喪失にして中出しを経験してしまった。
それもセックスをよく知らないことを良いことに中出しをしたのも同然だった。
性欲が収まり、頭がはっきりしてきた祐樹は罪悪感が湧いていた。李奈の処女を自分の好きな様に扱ってしまった。自分は何も変わっちゃいない。
「斉藤......起こして」
李奈は祐樹に向かって手を伸ばしていた。祐樹がその手を引っ張りながら身体を支え起き上がらせると、李奈は膣から出ている白い液体が気になった
「あれ、何か出てる。これが精子?」
「そうだよ。男が気持ちよくなると出ちゃうんだ」
「へーあっついの気持ちいなぁって思ったけどこれが精子だったんだ」
許可無くたっぷり出されたのに笑顔な李奈。やはり中出しを知らないようだ。説明はしないといけない。
「ねぇ李奈。李奈に謝らなきゃいけないことがあるんだ」
首をかしげる李奈に祐樹は理解出来るように時間をかけて説明をした。もしかしたら築き上げて関係も壊れてしまうかもしれない。李奈はまだこれから楽しい人生が待っている。それを自分が妊娠させてしまい奪ってしまう可能性だって充分あった。
一通り説明をしたが李奈の表情はあまり変わらなかったがショックを受けているようにも見えた。朱里は母親になる覚悟をしているらしいが李奈はそんなことを考えたこともないだろう
「じゃあ、ウチは斉藤の赤ちゃんが出来ちゃうってことか」
李奈は自分のお腹を触った。
「絶対っていうわけじゃないよ。朱里にも何回かしてるけど出来てないし......」
「でも中出しって子供作るためにするんだろ? 斉藤はウチに妊娠してほしいから出したんだろ?」
そう言われると何も返せなかった。自分の性欲を満たしたいから李奈に中出しをした。そのあとのことは何も考えていなかった。
「はぁ。斉藤ってウチより馬鹿だな」
「本当にごめん......」
「斉藤はウチとやって気持ち良かったか?」
「......うん」
「じゃあそれでいいよ。ウチも気持ち良かったし、斉藤の赤ちゃんなら別にいいし。だからまたウチとセックスしてよ」
「もしかして許してくれるの?」
「元々怒ってないっての。大好きな斉藤が気持ちよくなってくれるなら別に良いぞ。でもマジで出来ちゃったらその時は責任取ってくれよな」
祐樹は子供のような笑顔を見せる李奈を思わず抱き寄せた。自分の甘さをいつも受け入れてくれる彼女達に感謝している。すると李奈が『よしよし』と言いながら頭を撫でる。
もしかしたら一番子供なのは自分なのかもしれない。李奈の母親のような包容の中で祐樹はそう思った。