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ゆりあはガチャンと鍵をかけると、途端に自分の身体に緊張が押し寄せた。ここで行うのは初めてじゃないのにいつもゾクゾクとした感覚に襲われる。このシチュエーションに興奮する自分は変態なのかもしれない。
「ねぇ、チューしてよ」
この空気に耐えきれなくなったゆりあは祐樹の服を掴みクッと引っ張った。
「うん。しよっか」
「へへっ、んっ」
ゆりあは目をつむり、唇を突き出した。その愛しい姿を見つめながら祐樹もゆっくりと唇を近づけた。
ゆりあのしっとりとしている唇は柔らかく弾力があった。2、3度離したり、付けたりを繰り返す。
唇を離し、ゆりあの表情を確認すると目がトロンとしていた。焦らすようにキスをされるのがもどかしいのか駄々をこねる子供のような表情を見せた。
「んん......っ、もっと......」
その言葉で祐樹はゆりあを抱き寄せ、再び唇を合わせる。今度は舌で唇の感触を確かめるとそのまま口腔へと侵入させた。
「やっ......んっ」
ゆりあは祐樹の舌から逃げるように体をピクピクと反応させた。
あまりディープキスは慣れていないだろうか?嫌がってるのではなく刺激に耐えられなかったのだろう。お構いなくゆりあの口腔で舌と舌を絡め合わせ静かな空間にいやらしい音を響かせた。
男子トイレの個室という危険な場所で二人はお互いを求めた。セックスを了承した祐樹に提案したのはゆりあだ。家に帰ってからのお楽しみ、そんな風に思っていた祐樹は驚き、アダルトビデオのような展開に唾を飲んだ。
「やっぱり男の子は女の子を自分色に汚したりするのが好きだもんね」
「で、でも......」
「リョウタのこと忘れたいんだ。もしかしたら同じ場所でエッチしたら気持ちがスッキリするかなって。それに......トイレでしたなんて誰にも言わないから安心して。杏奈にも部屋でしたって言うからさ」
祐樹は理性と戦っていた。トイレでセックスなんてまるで獣じゃないか。自分は腐っても教師......。だが理性が勝てないのはいつものこと。大体にして生徒とする時点でもう自分は獣なのだ。頭の中は真剣なことよりゆりあの身体のことを考えている。何度目かの肯定を無理やり行い、理性という箍を外したのだった
「チューだけでこんなに気持ち良くなれるんだ......」
唇を離されたゆりあは寂しさが押し寄せ、祐樹の胸に顔を埋めた。これが「大人の男」なのだろうか。今までのリョウタの愛情なんてちっぽけなものに感じてしまった。
「ゆりあさんも杏奈さんみたいに寂しがりやで甘えん坊さんなんですね」
「女の子はみんなそうだと思うよ。表で強がってるだけ......みんなきっと祐樹みたいな人を求めてる」
「僕みたいな人? 僕はそんないい人間じゃないですよ」
「そんなことないよ。めっちゃ優しくて、人のこと捨てられなくて、だけど変態で」
『変態』もしかしたら、自分と関わった生徒たちは皆そう思っているのかもしれない。目線を外しそう思っていると、ゆりあが首元の襟を引っ張った。
「ねえ、早く続きしてよ。ゆりあのことだけ考えて」
「大丈夫です。ゆりあさんをどうイジメようか考えてた」
「へへっ、いっぱいイジメられたい」
祐樹は右手でゆりあの頭を撫でると、そのまま胸へと這わせた。意外とボリュームのある乳房。ゆりあはピクッと身体を反応させる。軽く力を入れ揉んでみると、ふにゃっと潰れる。祐樹は小刻みにくっ、くっ、と刺激した。
「ひゃっ、あっ......」
ゆりあは荒い息遣いと共に甘い声を出した。ピクピクと身体が震えている
ゆりあの身体の特徴は男を魅了させる柔らかさかもしれない。自分の頭が徐々に熱くなり始めている。両胸を満遍なく揉みほぐした頃にはゆりあの背中に回り、服を捲り上げあげて縞模様の下着の上から揉みしだいていた。下着から溢れんばかりの谷間が興奮を助長させた。
「あっ、んっ......祐樹っておっぱい好きでしょ」
「嫌いじゃないですけど、ゆりあさんのおっぱい、ふわふわして病みつきになりますよ」
「もー、変態教師めっ」
ゆりあは見上げるように祐樹を見ると頬を膨らました。
愛しさで脳髄まで震えた祐樹はゆりあの胸をゆさゆさと揺らす。普段は強がりな彼女の感じている表情はたまらなかった。