第一章 〜打開〜
説得
「美音、話があるから劇場の
事務所まで来てくれ」

後日私は美音を呼び出した。

社長から仰せつかった
内容を重要事項を除いてそれとなく
伝える。

人気回復の為に新しいファンとの
交流イベントを開催する旨とその
試験的な運用の為に総監督である
美音に先陣を切ってもらいたいと。

他にも数名オファーしているので
結果が上々ならグループ在籍の
全メンバーが対象になることも伝えた。

「分かりました」

美音は総監督の責任感から
快諾してくれた。

この先に待ち受ける過酷な現実を
まだ知らないだけに心が痛む。

美音には新たなイベントに関する
内容を盛り込んだ契約書を提示し
サインを貰った。

“交流イベントでは笑顔を
絶やさずファンとの触れ合いを
楽しみます”

色々な意味合いを含むこの文言…

触れ合いと書いているがメンバーは
握手会程度のものと思い込んで
サインしているだろう。

同様にしてSKE48の斉藤、
松井からも承諾を得た。

特に松井は選抜復帰の道が
開けたとあって大喜びしていた。

生贄となる3人から契約書にサインを
貰った私は次のステップへと進んだ。

U-30 ( 2020/01/04(土) 11:54 )