第4章
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「それで話とは一体?」


時を同じくして柊也は

黒賀谷のもとへと呼び出されていた。

柊也にそう尋ねられた黒賀谷は

目の前の机に

1つの白い封筒を置いた。


「これが今日届きましてね。

 君に調べてもらっていることに

 関係がありそうなんですよ」


黒賀谷のその言葉を聞き、

柊也は封筒を手に取る。

封筒には宛名が書いてあり、

差出人の名前はない。

中に入っていたのは

封筒と同じ白い紙、

そして、その真ん中に

パソコンで打たれたであろう

『すべては]で始まり、]で繋がる』

という文字、

ただそれだけだった。


]。

それが一体

何を表しているかは分からない。

けれど、紗英の兄が残した手帳に

この言葉の意味を表す

手がかりがあるはずだろう。


これでまた一歩

事件の真相に近づくことができる。

柊也は心の中でそう思った。


「君に伝えたいのはそれだけです。

 こちらでも

 何か分かったら連絡します。

 それではよろしくお願いしますね」


「了解しました。

 それではこれで失礼します」


そう言って柊也は

黒賀谷の家を後にした。

Joker ( 2017/06/27(火) 00:57 )