05
「あっ、お前らここにいたのか。
全く授業に出ないで
こんなところにこもりやがって」
部室の扉から顔を覗かせたのは
彼女たちの担任でもある玄。
「なんだ、先生か...」
「驚かせんとくれますか」
「なんだとはなんだ。
ここで何してたんだ?」
「別に。何もしてないですよ」
「全く。今回は何もしてなかったし、
さぼってなかったことに
してやるよ。
ほら早く教室に...」
玄は深いため息をつくと
少し呆れ顔をしながら
由依とゆりあにむかって
話をしていたが、
突然、言葉を詰まらせた。
由依とゆりあはその瞬間、
玄の目線が自分たちではなく
自らの後ろへと
向けられていることに気が付くまで
わずかな時間を
必要とするのであった。
Joker ( 2016/01/31(日) 02:01 )