第3章
05
「あっ、お前らここにいたのか。

 全く授業に出ないで

 こんなところにこもりやがって」


部室の扉から顔を覗かせたのは

彼女たちの担任でもある玄。


「なんだ、先生か...」


「驚かせんとくれますか」


「なんだとはなんだ。

 ここで何してたんだ?」


「別に。何もしてないですよ」


「全く。今回は何もしてなかったし、

 さぼってなかったことに

 してやるよ。

 ほら早く教室に...」


玄は深いため息をつくと

少し呆れ顔をしながら

由依とゆりあにむかって

話をしていたが、

突然、言葉を詰まらせた。


由依とゆりあはその瞬間、

玄の目線が自分たちではなく

自らの後ろへと

向けられていることに気が付くまで

わずかな時間を

必要とするのであった。

Joker ( 2016/01/31(日) 02:01 )