04
「心配か?遥香さんのことが...」
ゆりあは、窓際に立ち校門の先を
見つめている由依に
後ろから声をかける。
2人しかいない、
いつもより人が少ない
部屋の中に声が響き渡る。
「...」
「あんたも知ってるだろ、
杏奈は強い。
特に遥香さんが関わるときは。
それに美音もついている。
まして、遥香さんは
誰にも負けない。
あの人は最強だ」
ゆりあは自らの問いかけに答えない
由依へとさらに言葉をつづけた。
自分の心の中にあった不安。
その不安を晴らすかのように
ゆりあの言葉が胸に刺さる。
由依は苦笑いをしながら
ゆりあの方へと振り向き
「別に心配なんかしてへんわ。
それよりあんたは
少し敬語を身に着けへんとね」
と言いながら、彼女の頭を小突いた。
Joker ( 2016/01/30(土) 02:41 )