第3章
03
「連れてきましたけど...」


「由依さん、

 南那と真子から事情は聞きました」


「なら、話は早いな。

 とりあえず私たちからは...」


「由依、杏奈に

 行かせてやってくれないか?

 杏奈、心配なんだろ。

 遥香さんのことが」


「心配は心配だよ。

 でも、それは

 他のみんなも同じでしょ」


「確かに私たちも

 遥香さんのことが心配だよ。

 でも、私たちのなかで

 遥香さんのことを

 一番気にかけてるのは他でもない、

 あんただ」


「それもそうやね。

 よし、杏奈が今日は行ってき」


由依はゆりあの言葉に

肯定の意を示した。


「ありがとう、ゆりあ。由依さん」


そんな2人に杏奈は

感謝の言葉を述べながら、

深々と頭を下げた。


「さて、次世代からはどうする?」


ゆりあはそう言うと由依の顔を見た。


「美音、今日はあんたが行ってき」


「分かりました。

 お願いします、杏奈さん」


由依に指名された少女、美音は

言葉を返しながら小さく頷いた。

Joker ( 2016/01/27(水) 02:27 )